習癖
テリトリを持つ動物は相手のテリトリに入ると闘争、あるいは逃走しようとする衝動に陥る。この相反する葛藤において、くいしばり、毛づくろい、体を掻くなどの「転位」という防衛機制する。人は、緊張、不安などに誘発される転位行動の代替として食いしばり、指しゃぶりなどの口を使う。幼児も母親との分離不安を感じる状況において指しゃぶりするが、防衛機制の内の「退行」の一つで発達の段階に逆戻りする現象であると考えられている。実現不可能な欲求に対し、食いしばりなどで、苦悩が深めないように抑圧という防衛機制を使う。情緒的なストレスのある環境において、口が不安を軽減する。このような指しゃぶりや食いしばりなどのパラファンクションに対し、いかにして歯科医として治療に参加できるか?口腔習癖をするのは、防衛機制であり、自分の内部を変えて不安や苦痛から自分を守ろうとする反応であり、何も意味がないと判っているにも関わらず、同じ行為を繰り返してしまうのであるが、問題が存在している証左であるとされている。習癖を止めさせようとすると、習癖が消去されることもあるが、習癖の固定、欲求不満、性格へ波及することもある。フロイトによると、指しゃぶりや食いしばりのようなパラファンクションをやめさせようとすると、口腔満足が阻害されたことになり、その時期に「固着」が起こり、気まぐれ、両極端、自己顕示的な傾向を持つ、境界性パーソナリティに近い特有な口唇期性格が形成されるという。このような習癖がある場合、その原因を認識し、それに対処しながら、どのようにしてその行動を望ましい方向に変えていくかを考えた。 愛情剥奪があると、身体、性格、習癖形成に影響すると考えられている。習癖形成理由にこの愛情剥奪、移行対象、欲求阻止状況、情緒的ストレス、強化因などが考えられる。習癖を止めさせようとすると、習癖の消去されることもあるが、習癖の異常固定、欲求不満兆候が表れる。口腔満足を阻害したり、習癖を消去させようとするような口腔衛生指導は、パラファンクションを除去されてしまうこともあるが、逆に罰を強化することによって習癖が固定化されてしまうこともある。欲求が阻害されると欲求不満になり、欲求不満が高じてくると、その欲求が減退し、本人の行動に影響しなくなって目標放棄される。仮に欲求が充足されたとすると行動の動因ではなくなり、他の欲求が出現する。欲求充足阻止に会うと、試行錯誤的に問題の解決しようとし行動が継続される。それでも欲求阻止されると、「置換」という防衛機制がとられ、さらなる習癖に発展することもある。一般にパラファンクションは、心理的な因子が問題行動を誘発しているとする医学モデルと考えることができる。 新生児が遭遇する最初の感覚経験である母親と口唇満足である吸乳、摂取、吸乳衝動の減少はその影響を後の行動に長く残すという。この時期のマザーリングが不適切だったりすると自律神経系は影響を受けることがあり、自律神経の不安定に加えて情緒的ストレスは情緒的、社会的な派生効果を及ぼすといわれている。口唇満足を通して不安を和らげようとするパラファンクションは、自律神経性に根ざすものであることが多い。指しゃぶりは、胎児の時からやっているのであるが、フロイトによると、3歳以上になっても続く場合、愛情飢餓、ストレスの兆候である。そして、口腔満足こそ、母親への愛着に関する発展を促し、方向づける指針の役割を果たすのであり、この口腔満足欲求を性欲の原型であり、子供の口愛と成人の性愛との間に連続性を主張して大人の性的快感の延長であり、同質のものであるとした。ウィニコットは子供がやる布やぬいぐるみを抱く行為を母親から他者への関心が移行する段階であるとして移行対象としたのであるが、指しゃぶりはその次の移行対象で、更にぬいぐるみやおもちゃに移行する。移行対象をひきずり続ける場合、母子分離時期に、愛情飢餓が起きているとした。R.F.マイヤーは、罰を強化したりすると習癖を固定されてしまうことを示した。NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.しかし、習癖が不正咬合、TMDや歯周病などの歯科疾患の原因になるのであれば止めさせる方法を考え、指導していかなければならない。そうでないのであれば、我々の行う口腔衛生指導は、パラファンクションを止めさせて口腔満足を奪うのではなく、スキンシップを図り、口腔満足による安心感を与えることが大切になる。
ピアジュによると、生後、5か月頃、乳児は、座れるようになると、手の運動が分化し、把握反応が発達してくる。6か月頃、乳歯は萌出し、手で口に物を入れるようになる。J.ピアジュ,大伴茂訳、遊びの心理学,黎明書店
意識しないで行われる行為が存在するが、習癖も意識しないで行われる行為である。習癖があるということは、何も意味がないと判っているにも関わらず、同じ行為を繰り返してしまうのであるが、問題が存在していることになり、欲求不満の症状であるのかもしれない。 Levyは乳首の孔の大きいビンで牛乳を飲ませた犬は、十分な口唇満足を得ることが出来ず、噛んだり、しゃぶったりする行動が多くなることを見つけた。 Levy,D.M.:Experiment on the sucking reflex and social behavior of dog-American Journal of Orthpsychiatry,Ⅵ.203Levyは、授乳時に、母親の乳房や牛乳瓶を早く離すと、十分に口唇を刺激する欲求を満足していない為に、指しゃぶりなどの習癖をするようになることを明らかにした。 Levy,D.M.:Fingersucking and accessory movements in early infancy American Journal of Psychiatry,Ⅶ,881,1928.新生児にとって快、不快の感覚は口唇に集約され、内的緊張の放出は、口唇で行われる。口唇は、幼児の緊張緩和の重要な器官である。 乳児は授乳を通じて緊張を開放する。乳を吸う行為は、外界を安心して受け入れるという精神活動の原型で、乳を吸い、内的に高まっている緊張を開放し、満足することが必要である。 E.H.Eriksonによると、口唇満足は、外界を信頼するという精神構造の萌芽である。こうして形成される人間の内的資質を「基本的信頼」とよび、希望という人間精神の中核になるのだと主張した。
習癖の種類
習癖は3つに分類される。1.その場だけのもので内部の反応が1時的なもの。2.変化した環境がある程度、持続為的なに防衛反応も、ある程度持続的なものになってしまったもの。3.全く元に戻らぬ状態に固定してしまったものに分けられる。 習癖が形成される必要条件は、1.新しい反応が生じること、2.これが固定され、3.持続的なものになることである。
習癖の原因
ヒトは直立し、咽頭が長くなり、言葉をしゃべれるように脳が再編成され、抽象的な物事を考えるようにになった。実験でボタンを好きなときに押させて、それをモニターして脳の活動を調べてみると、運動前野という運動プログラムするところが動き始めて、1秒経過してから動かそうとする意識が現れている。動かそうという脳が準備を始めてから、大脳皮質で動かそうという抽象的なクオリアが生まれる。感情、意識、クオリオより先に体が反応して習癖などの行動が起こっているらしい。
Sick House Syndrome
窓さえない空間に押しやられ、野生を追いやっている環境は、指しゃぶり、くいしばりしてしまうシックハウス症候群が言われている。ヒトには、自然世界とつながりを必要とする生まれながらの遺伝的欲求があると考えられている。
心理的要因
かつて、デカルトは「結果があれば原因がある」と言った。習癖の原因は、心の内部の傾向、緊張であり、心理的原因、意味を持ち、無意識の精神内部の葛藤に起因しているといわれている。 乳児は、乳を摂取する為のみならず、口愛的快感を繰り返し欲求する為に母親を求め、母からその満足が得られなければ代理物のおしゃぶり、指をしゃぶろうとする。乳児は、飢餓の衝動に駆られて乳をしゃぶっているのみならず、しゃぶるという行為は、満足をもたらすことを意味している。フロイトは快を求める口愛欲求こそ、乳児の母親への愛着に関する発展を促し、方向づける指針の役割を果たすようになると考えた。子どもにおいて、口腔習癖をする理由は、不安な時に安心する自己親密性に近い行動と考えられる。
子どもは、不安を感じたり、満足が得られなければ、口愛的快感を得ようとおしゃぶりや指をしゃぶるのだという。フロイトによると、これは、飢餓の衝動に駆られた行為であるという。フロイトは、快を求める口愛欲求を性欲の原型とみなし、子供の口愛と成人の性愛との間に連続性を主張して大人の性的快感の延長であり、同質のものであるものとみなした。大人の性器性欲は、小児性欲の再現であると性の2相性をと説いた。欲求の鬱積と緊張が高まれば、エネルギーの解放を求め欲求不満を体験し不快になり、このエネルギーの解消するプロセスで快を体験しよう口腔習癖に発展するのだと考えた。 フロイトは、生後から5歳くらいまで、しっかり指しゃぶりをさせておかないことによる性的欲求不満が大人になって神経症に発展することがあることを指摘した。
欲求阻止状況
(欲求阻止-防衛機制(代替行動)-習癖)
目的達成の阻止、抑制をいう欲求阻止状況にあると欲求不満に陥る。欲求不満になると、試行錯誤的に問題の解決しようとする。試行行為が成功すると行為が継続される。それでも欲求阻止されると、代替行為がとられ、さらなる習癖に発展する。 欲求不満がある程度、高じてくると、当面の目標に対する欲求が減退し、その欲求は本人の行動に影響しなくなって目標放棄する。あるいは、代替試行行為がとられ、習癖に発展することになる。 あるいは、欲求充足阻止に会うと、試行錯誤的に問題の解決、克服しようとする傾向の現れ、試行行為が成功するとその行為が継続されることもある。
欲求充足
しかし、欲求充足されると、強度を失い、目標へ向けての動機づけになる。エイブラハム マズローによると、欲求が充足されると行為の動因ではなくなり、充足されて、飽和欲求と呼ばれ、他の欲求が出現するという。
移行対象(愛情飢餓)
行為障害などの行動上問題が子には、この愛情剥奪体験があるという。ウィニコットは、指しゃぶりは、胎児の時からやっているのであるが、3-4歳になってもひきずり続ける場合、母子分離時期に、愛情飢餓が起きているとしている。 ウィニコットは子供がやる布やぬいぐるみを抱く行為を母親から他者への関心が移行する段階であるとして移行対象としたのであるが、指しゃぶりはその次の移行対象で、更にぬいぐるみやおもちゃに移行する。
愛情剥奪体験
ウィニコットによると、子供の成長において抱っこが他者との関係を形成するのに、重要な役割を果たし、それが無いと愛情の満足が阻害された愛情剥奪体験となり、a.身体、b.性格、c.行動に傷を残すという。
a.身体
愛情剥奪があると、短期間であっても、免疫系、内分泌系、成長に支障をきたし、成長ホルモンの分泌が低下して、成長が止まり、身長が伸びなかったり、免疫力が低下し病気がちになったり、脳の発育が遅れ学校成績が悪くなったりしてしまう。兄弟に病気や障害があり、母親がその子に手を焼いていると、子供に愛情剥奪が生じ、同じ現象が生じて、病理生理的な劣等性を誘発してしまうらしい。初期操作は副腎-交感神経系に影響し、脳下垂体-副腎の関係、自律神経系の調律、気質、情緒性に影響するのだという。
b.性格
フロイトによると、授乳期の愛情の満足が阻害された為、その時期に固着が起こり、気まぐれで、両極端で、自己顕示的な傾向を持つ、境界性パーソナリティに近い特有な口唇期性格が形成されるという。
習癖形成過程(How)
愛情剥奪、欲求阻止状況が続くと欲求不満に陥り、ストレスを被る。その状況において、 自我を崩さないように防衛機制によって習癖形成という反応が生じ、強化,固定化され、その行為が持続される。 習癖形成とは、1.新しい反応が生じ2.強化され、3.固定化され、4.持続的なものになることである。
習癖固定のプロセス
1.最初に試みた欲求を満足させる方法が最後まで残っていく現象が、「水路付け」と呼ばれるものである。 2.第2の行動様式の固定法は「条件づけ」といい、新しい反応を作ってこれを固定する条件反射である。条件反応が形成されることを条件づけと称される。
1/置換
捕食動物が非捕食獲物に逃げられたとき、置換という転位行動を取る。行動がなんらかの障害で行えない場合、転位行動として別の行動を行う。 飼育下のヒョウなどの動物は、自分の尻尾を噛む、霊長類を隔離すると、霊長類の指しゃぶり、あるいは、食いしばりという転位行動をするらしい。 口腔習癖は、新しい環境に入った事に拠る興奮、あるいは不安を鎮める機能を持つものと思われる。葛藤、緊張、不安の状況、アンビバレンスの衝動では、転位行動として機能し、人は食いしばる、幼児の指しゃぶりなどで不安を解消しようとする。 欲求不満が解消されない、したい行動が出来ない時も、代用目標に代えることによって満足させようと、転位行動、置換という防衛機制をして、自我が崩れないようにする。 転位行動は、代わりに代替をしなければならないので、習癖になる。 実現不可能な欲求に対し、口腔習癖をするのは防衛反応であり、置換は自分の内部を変えて不安や苦痛から自分を守ろうとする反応である。 防衛機制の置換として攻撃などの非理性的行為がとられることもある。ノーマン R.F.マイヤーは、攻撃は欲求不満表現の1形態にすぎないと言っていたが、攻撃的行為、敵意を欲求不満の原因と思われる対象物、あるいは、相手にぶつける。 NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.置換は、欲求が満足されない時、代用目標によって満足される現象で、1.昇華:社会的価値のあるものへの置換は昇華、2.一般的な置換が代償、3.身体的置換が転換で、口唇満足を得ていない子供が指しゃぶりに転換する。
2/退行(幼児返り)
大人になってからやるのは、うまく適応できない時、昔の習慣に退行する。退行は欲求不満があったりすると昔の習慣が頭を持ち上げる現象である、ショックを受けたり、生じるもので、子供時代の水路の再現であると考えられている。 幼児も母親との分離不安を感じる状況においておこなう指しゃぶりも、防衛機制の内の退行の一つで発達の段階に逆戻りする現象であると考えられ、退行は「幼児返り」といわれている。たとえば、下に弟や妹が生まれると、親の愛を独占できなくなると、親の愛を取り戻そうとする口唇癖などの直接的な幼児帰りだけでなく、さまざまな形を変えた、考え、感じ方、幼児的行動、習癖が出現するという。なんらかの欲求不満、たとえば愛情飢餓、注目されたい欲求が潜んでいると考えられる。口腔習癖以外の退行には次のようなものが考えられる。 1.睡眠:原始的な幼児性として睡眠願望があり、ひたすら、眠っていればよかった幼児期に戻ろうとして眠気を催す。 2.摂食:肥満傾向の人は、口が淋しくて、何か食べていようとする。たばこは、幼児の時の母親のおっぱいの代理満足だという考えがある。 3.言語:幼児が言語を覚え始めた頃の特徴に無意識にまねることによって年齢退行する。 4:だらしなさ:幼児の示すしつけへの反抗と同類の行動として不精、だらしなさがある。 5:なきごと、ぐち:親の保護を要求できた幼児期のように泣き言、ぐちを繰り返し、同情を得ようとする。すぐに親に保護を受けれなかった時に示す不満の表情、ふて腐れ、すねたり、ひがんだり、かんしゃくを起こしたりするという原始的な反抗、攻撃という形態をとる。
強化因
強化因とは、行動とそれがもたらす効果の関係とされ、意識されなくても、習癖などの行動は強化因によって変化し、強化因によっても習癖を制御されることがあるだろう。くいしばりなどの習癖の強化因は、快感、落ち着く、ストレス解消などであるが、負の強化因は、周囲の視線、顎の痛み、歯周病、不正咬合などが考えられる。
固着による口唇性格
フロイトは1歳前後に、快不快の感覚のもとに口唇活動が活発になるので、この時期を口唇期と呼んだ。K.Abrahamは、口唇期を2期に分割した。1/早期口唇期は、吸う、しゃぶるという行為が中心で、吸うことが優勢な時期。2/口唇サディズム期は、噛むことによる対象破壊傾向が出現する、噛むことが優勢になる時期。
口唇期に十分な口唇部位の活動を経験しなかった場合や、習癖を禁止された子供は、口唇性格という特性を持つに至り、口唇期への退行が生じ、習癖が持続され、固着が認められるようになる。そのような子どもの性格を口唇性格とみなし、この口唇性格を依存的タイプと楽天的タイプの2種類に分類している。
Levyは、同腹の犬を2群にわけ、Ⅰ群は細い穴、Ⅱ群は太い穴の管から人口授乳し、太い穴からのものは早く飲み終え、口唇欲求不満が大きくなり、長じて何でも舐める癖が止まなく、フロイトのいう口唇期への退行現象が生じることを示した。口唇期的欲求不満が人格形成上有害だとする主張を受容、又は、拒否できないことを示した。精神分析派は、幼児は、自我と呼ばれる現実的な適応能力は成熟していないので、性的衝動の発達は注意深く扱わなければ停滞し目標が逸脱するとした。
口唇期的欲求不満をもたらすようなしつけ方、時間決めの授乳方式は精神衛生上有害で、泣き叫ぶとき与えるという要求授乳方式は、フロイトイズム的観点から望ましいと考える。有名なスポックの育児書でも、欲求を制限しないしつけ方式、寛容型に傾いている。同腹の犬を2群にわけ、Ⅰ群は細い穴、Ⅱ群は太い穴の管から人口授乳した。太い穴からのものは早く飲み終え、口唇欲求不満が大きくなり、長じて何でも舐める癖が止まない。これは、フロイトのいう口唇期への退行現象が生じることを確認し、フロイトの説を弁護している。 ゴールドマンとエイスラーは、大学生の育児記録に基づいて早期離乳組と後期離乳組の2群に分け、性格特性を分析した。早期離乳組は、口唇性格的特長、受動性、依存性、隠れた撃性などの望ましくない特性が認められた。これによって、米国心理学会では、口唇期的欲求不満が人格形成上有害だとする主張が拒否できないとして、口唇欲求不満は口唇性格と作りあげる原因になるとするフロイトの業績が認められることになった。継続授乳を嫌う母親の拒否的傾向や冷たい母子関係が子供の不安や自閉症を誘発したと見る向きもある。
口腔習癖禁止
習癖禁止すると何が起こるか?
習癖を止めさせようとするとR.F.マイヤーは次のようなこと(1~3)が起こることを明らかにした。 NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.
1。消去
マイヤーによると、習慣的行為が満足を誘発しなかった場合、親や我々術者、懲を与えてやめさせようとすると、習癖が消去されることを明らかにした。 2.強化(リアクタンス)
R.F.マイヤーは、罰を増強すると習癖が強化されてしまう、リアクタンスという現象があることを示した。
3. 固定化(停滞、固着)
罰が行動に対し、欲求不満兆候を誘発し、異常固定、固着を誘発してしまうことを明らかにした。 フロイトは、生後から5歳迄に例えば、指しゃぶりなどを禁止されると、ひとたび停滞し固定したリピドーは抑圧され無意識化される。
リントナー(ハンガリー,小児科医)は、大きくなっても指しゃぶりを行うものは、マスターベーションにふける傾向がある事を示し、指しゃぶりと性の関連性を示した。 Lindner:Jahrbuch fur kinderheilkunde N.F.XIV,(1879);Freud:op.cit.S.80.
4.性格障害
口唇性格(不安障害)
フロイトによると、禁止されると、性的欲求不満に発展し、それが大人になってからエッチしたいという欲求は抑圧されるが、後に症状や夢といった様々な現象に神経症(不安障害)といった症状に変形されて姿を現すとした。
5.自立阻害
ソークによると、乳児期の初期に、この原始的な欲求を満たしてあげることによって、自立が促される。禁止すれば、自立が阻害されるとした。 ソーク、内藤寿七郎監修、野田雅子訳、リー・ソーク博士の育児書、TBS出版、1976.
禁止の禁止
フロイトは、生後1年間半は、子供の欲求とその充足は、口唇的なものであり、口唇は感受性と緻密な筋肉組織をもってその快感を味わうのであると考えた。乳児は、口唇満足を得ようとするが、満たされなければ欲求不満を起こす。
発達初期にのみある特性や障害が発生し、その修正は後になっては不可能に近いいわゆる臨界期としての意義を強調している。欲求不満を起こす条件があると停滞と固着が生じる。Wolfensteinは、性器いじりは検索行動の一種として容認されるのに、指しゃぶりに厳しい態度がとられるのは矛盾があると指摘し、指しゃぶりの「禁止の禁止」の重要性を明らかにした。 5歳迄の幼児性欲求は、性格の基礎構造、正常人格の土台を形成する時期でかけがえの無い時期であるので、禁止の禁止が主張されている。
口腔衛生指導
1.実行できる指示
Judis Komakiは有能な指導者の指示の出し方とそうでない指示の出し方の違いに着目し、患者教育の成否は、指示の出し方が異なっていることを明らかている。
患者教育はしやすい指示を出せるのが、よいハイジニスト。結果に原因が存在するなら、その原因に対処し、望ましい方向に変えるように指導する必要がある。 指示を出すだけでは行動の改善が見られない場合は、実行しやすいような指示を出すように心がけるべきである しかしながら、患者さんはその指示を決して守らないとしたら、患者さん、指導する歯科医、衛生士の方、あるいは、両者に問題があることになる。その原因に我々指導者側の知識不足、医学モデルなどが考えられる。
2.具体的指示(行動的翻訳)
我々指導者側は、歯磨きしなさいという抽象的な指示ではなく、バイオフィルムが堆積する歯と歯茎の間をターゲットにして歯周病を予防しましょう、あるいは、Dento Gingival JunctionにAccessしてそこに存在するPlaqueを除去しましょうとと具体的な指示を出すような行動的翻訳する方が実行され易いとされている。 たとえば、この僧帽筋という筋肉をストレッチしましょうという抽象的な指示ではなく、1セット30回と3回というふうに具体的な指示をする必要がある。困難な指示を出して挫折感を味わわせないで、少しづつハードルを上げ、達成感を味わわせ目標に到達させるのである。挫折したら、目標を下げ、1つ前の段階に戻って、励ますのである。 習癖を改善するためのオーラルスクリーンをやりましょうではなく、このくびれ(Sub Labial Pad)がなくなるまで、1日3時間というように具体的指示する必要がある。
頤筋習癖は不正咬合に導くことがある。Sub Labial Padの緊張を除去することによって、犬歯筋、三角筋、口角下制筋などが弛緩できるようにする。
3. シェーピング
達成可能な目標を設定し、達成したら少しずつ引き上げると最終目標に達成しやすい。シャーピングとは、高い目標を押し付けて挫折させるより、少しずつ目標を達成させ、達成感を味あわせながら最終目標に到達させることである。
4.叱責の禁止
叱責してしまうと、指導される側は叱責によって償われ、行動が持続されてしまうので、叱責は慎まなければならない。
5.術者側の反応強化
我々術者側の指示を守れないという行動の原因が分かるのなら、行動に問題がある時には、その原因に対処しながら、行動を望ましい方向に変更する方法もわかるはずである。 口腔衛生指導が成功しないのは、患者教育の時に、我々指導する側の反応、態度に問題があることが指摘されている。 デビット マクレランドとジョン アトキンソンは、意欲と努力は、成功の確率が50%に近づくほど高まり、それ以上成功率が高まっても、意欲と努力が漸減することを示している。目標達成が不可能、確実に近ければ、意欲付けにはならないのだ。口腔衛生の悪い子供にどなる状況が続くと逆に衛生状態が悪化する。親は、順次到達していくことによって最終目標につながるところの中間目標、達成可能な現実的目標を設定することで、正の強化を用いることができる。
口腔衛生指導の成功の鍵
5歳になっても習癖が持続し、不正咬合に発展する兆候があれば、習癖禁止しなければならない。習癖が不正咬合、TMDや歯周病の原因になっているのであれば、やめさせなければならない。
意識化
ヒステリー性格の人は、空想と現実を混同し、自分を実際以上にみせようと無意識にありもしない嘘を弄ぶ傾向がある。人は、習癖などの普段やっていること行為を意識化されると、その行為がスムーズにできなくなる。 患者さんに、自分の前に座らせ、指しゃぶり、爪を噛ませたり、タバコを吸わせたりする。そして、医院のスタッフはわざと大げさに驚いたようなフリをしてみせる。 人はみんなの同じこと、同調行動をしたいという同調心理がある。自分だけしているということが意識化されるとその行動は消去されてしまう。
嫌悪化
習癖は意識化してその動作を行ってみると嫌悪感が生じる為、直ってしまう。 嫌悪療法とは、悪癖を直す為に、それをやりだした時に、不快な刺激を与えて意識化させると無意識に行為をやめさせる。悪癖、習慣を故意に行うことで嫌悪感が生じ、固定化を解除することができるのである。 人はある行為をしている最中に、不快な刺激が与えられると、行為そのものに嫌悪感を抱くようになる。好きな行為でも、その最中に不快な刺激を受けるだけで嫌いになるのである。 習癖をしているときに、太鼓をたたいたりして、不快な大きな音を鳴らして、その行動を消去する。 何気なく行っていることを意識化させた途端、その習慣を破壊することができる。
代替行動
代替行動とは、同じ機能を持つ代わりの行動のことを代替行動という。 代替としてオーラルスクリーン、おしゃぶりを装着させて、習癖を禁止する。 おしゃぶりは、開口を誘発するので、オーラルスクリーンを使用させるべきである
抹殺法
抹殺法は、子供が、布をかじっている場合、親に言って、その布を没収してもらう。
Clenting
Clentingの意味
刺激を受けるのが入力だとすると、その刺激に反応するのが出力になり、最終的な出力、行動を決定する頭頂葉の前方にある運動野のある場所を刺激すると顎が動き、ある別の場所を刺激すると、別の運動が起こる。プログラム系の神経を刺激して顔の筋肉が動き、結果としてある決まった表情になるのである。筋肉をコントロールするような神経を刺激することで運動が起こり、運動野が刺激されることで、クレンチング(くいしばり)が誘発される。 顎関節症の疼痛の原因の90%が筋痛であり、筋痛のほとんどんの原因は、ClentingなどのParafunction(異常機能)であると考えられている。 哺乳類は新しい顎と歯を進化させ地位を獲得
した。恐竜は、同形歯だが、ほ乳類は、異形歯で、位置ごとに違う歯が這えている。哺乳類は顎を進化させ、いろんな食べ物から最大限の栄養素を引き出す歯を持っている。犬歯でかじりとり、食べたものは小臼歯で切り裂かれ、大臼歯で、消化しやすいように大きさにする。犬歯は、Clentingに使用されるようになった。
1.Inquiry(問診)
人は、それぞれ、痛みに異なった認識、反応、感じ方をする。痛みに対する感じ方、度合いが違うので、精神状態を考え、それを知る為に、問診によって、疎通性、ラポールを作ることから始まる。 朝起きたときが顎が最も痛い場合、歯軋りが、夕方にもっとも痛いというのであれば、おそらく、食いしばり関与していることになる。痛いところを指で指してというと、咀嚼筋を指す 。
Palpation(触診)
Clntingやっていることを診断するには、触診において咀嚼筋にtender(圧痛)、開口困難がある。それらの筋肉が短縮していることを意味する。 1/Massetter Palpation
頬骨弓直下の触診による圧痛の出現で確認することができる。咬合平面に対して、直角方向に食いしばりすれば、咬筋浅部の起始部に疼痛が誘発される
2/Lateral Pterygoid Palpation
下顎を右側方向に歯軋りすれば、左側の外側翼突筋に疼痛が発生する。 2.Free Way Space
安静空隙は、平均2-7mmで食隗の大きさであり、咬筋が最もパワーを出す距離であるとされている。安静空隙は、SubnasaleとMentonに印を付け、MMMと発音をしてもらい、顔が1番短くなった時の長さを計測する。くいしばりする患者さんの安静空隙は1mm以下に短縮し、MMMを発音するときに、歯牙が衝突しがちになるが、それと咬合面をすり減らすこととは無関係である。筋の不調和、咬筋疼痛、長時間の開口困難を被りがちなるので、筋肉の処置をしなければならない。食いしばりをする人の安静空隙は、1mm以下である。
帯状回
動物は、子を失ったりすると、大脳辺縁系の帯状回の前方部が活動していることが動物実験で示されている。 シカトされた時にも怪我の痛みに感じる個所である帯状回の前方個所が反応している。このことは、心の痛みも体の痛みは、同じ痛みとして帯状回に来る。帯状回の反応が大きいほど、気分の落ち込みも激しい。 いしばりすることで、帯状回の反応を紛らわそうとしている。 葛藤の状況(不安、恐怖)
顎関節症の人の痛みに感情、情緒が大きく影響している。 環境に恐怖があり、社会的接触が不可能な人は行動を超親密化する事によって慰安と安心を求める。 くいしばり等の行為を繰り返すことで親密で安全なものになる。
引きこもり
引込んでしまった人、社会的に不活発な人は、環境に恐怖があり、社会的接触が不可能に感じられ、わずかな活動に固執し、一つの行為を律動的に繰り返し、繰り返しから得られる親密性によって安心を求めようとする。
子宮返り
くいしばりすることによって、体の中で慰安的で、リズミカルな動きを導き出し、子宮の中の安全な世界に戻ろうとしていると考えられている。 体の中で慰安的な動きを導き出し、子宮の中の安全な世界に戻ろうとする。葛藤状態にある時や苦しい時、不安状態の時にくいしばったり、体をゆする。音楽はその性質をより明確に示す名前を採用し、Beat;拍動と呼ばれている。Jazz界の巨匠と呼ばれたJohn Coltraneのもとでリズムを支えた世界最高のドラマー、Elvin Jonesは、最も好きなリズムは心臓と同じ速度だと言った。
退屈
ストレス状況でも生じるが、退屈さへの反応でもしょうじる。檻などの拘束された退屈状況でも生じる。檻の中に見慣れぬもの、新人を入れてやったら、食いしばりなどの習癖が消失したら、退屈が原因であることになるかもしれない。もし、正常な社会環境を作っても、続く場合は、固体が異常に隔離された幼児期を過ごしたことがあるのかもしれない。
長期的なストレスは神経細胞を委縮させる。
Defense Mechanism
ロバート サポルスキー(スタンフォード大学、心理学者)は、精神内分泌学の研究では電気ショックを与えられたネズミが放出する糖質コルチコイドは、ネズミがしゃぶることのできる棒、もっと効果の高いのは他のネズミに噛み付くことができるようなはけ口があれば、分泌も減少することができることを見つけた。動物は食いしばりすることによって、自我が崩れないように、ストレスに対する防衛機制している。クレンチャーにスプリントは、ストレスに対するはけ口になる。
転位行動(置き換え)
食いしばりは、ストレス状況下で生じ、安心機能として作用する転位行動とみなされる。 緊張、不安、葛藤に引き起こされこどもの指しゃぶりと同じ転位行動である。 環境に恐怖があり、社会的接触が不可能に感じられるので、行動を超親密化する事によって慰安と安心を求める置き換えである。
反動形成
くいしばりなどのパラファンクションは、基底不安の防衛の為の反動形成であり、不安などの動因が誘発した強迫的な行動である。基底不安を経験したものは、不安を直面することが出来ず、不安から逃れる為、防衛の手段として用い、顎関節症に発展させる。
咬筋(上ストレスなし、下ストレス)
強化(学習)
行動は結果による選択とも考えることもできる。
くいしばっていらいら解消の満足という「強化因の出現」によって強化される。 止められない行動は、強化因があり、強化因をなくせば行動は消去される。 食いしばりの強化因は不安であれば、強化因の不安を解消すれば、食いしばり行動は弱化、消去されることになるかもしれない。
Clenting Pain Cause
不安や恐怖を被ると交換神経の活動が高まり、心臓機能が活発になり、エネルギーを消耗する態勢に入り、消化器系が抑制され、筋肉が緊張し、食いしばりし頭痛、筋痛を被りやすくなる。 くいしばりは筋肉に、歯軋りは顎関節に影響を及ぼすといわれている。 過度に用いられると不可逆的、脅迫観念となり、必要がないのに持続され、筋肉は緊張する。 運動連合野はどんな運動をするか運動野に指令を出す。ボクサーの場合、運動連合野は、相手との距離、動きに合わせて、パンチを出すという指令を運動野に出す。運動野はそれを受けとり、その情報を脊髄の運動神経を通して筋肉に伝え、運動、パンチを出す。
人は、不安を感じると、不安を解消する為、運動連合野は、Clenting(食いしばり行為)を行うように運動野に指令を出す。それを受けとった運動野は、その情報を脊髄の運動神経を通して筋肉に伝え、Clentingを起こす。このClentingに適応できないと顎関節痛になる。 筋細胞が収縮すると血管は圧迫され、新鮮な血液が筋細胞への流れを阻害し血液不足を齎し、血液が絶たれた状態での筋収縮の持続は、筋肉に乳酸を貯め、2分間の筋の収縮は筋肉を休ませようと疼痛、開口障害が生じる。
食いしばりする人は、筋肉が長時間にわたって収縮しなければならない状況になり、Okesonは顎関節症における疼痛の原因を発見した。Okesonによると、通常はClentingは平均8秒位の持続時間であるが、Clentingの習癖がある人は、8秒よりも長くなっていること明らかにした。そのため、Clentingしている人は筋肉を弛緩させる時間が短くなって疼痛を被ることになる。 そのために、食いしばりをしていると咬筋浅部の起始部が疼痛を被るようになり、その疼痛は無意識に開口を抑制を抑制させ、開口障害に発展させることになる。 疼痛の度合いや頻度は疼痛を訴えた状況によって制御されている。どちらかというとヒステリー性格の場合、疼痛に誰かが同情するひとが居るとオペラント学習し、周囲が強化し疼痛が持続される疾病利得を示すようになる
Clenting Treatment(How)
顎関節症の9割が筋痛、筋痛の原因が食いしばりなどのParafunctionであるとされている。 通常の食いしばり時間は、平均8秒位、Clentingの習癖がある人は、8秒よりも長くなって疼痛を被っているのであれば(Okeson Study)長くならないようにすることが治療目標になる。
BT:Which
原因がストレスだとしたらStress Management,Relaxation Therapyが必要である。
CBT(意識化)
慢性疼痛の患者さんは、重症になる程、自分を客観視できない。歯科医は、客観視、意識化させるきっかけを与える必要がある。自己コントロールの原則は、自分を客観視できるかである。 症状は、意識から排除され、行き場を失った無意識によって形成されるもので意識化されるようにしてやれば症状が無くなると考え、それをカタルシス効果と呼ばれている。 硬いものを噛んで、顎への痛みの出現によって、硬いもの噛む行為が弱められる。あるいは、硬いものを噛んで、顎への痛みの出現したことを教えると硬いものを噛む行為が弱められることになるかもしれない。 それでも、問題がくいしばりにあるということを認知しようとしない場合、習慣的に、下顎を機能域外に牽引し、その偏位させた状態でくいしばりさせ、そのことによる疼痛である事を認知させる。 リラックスして不安を忘れようとするほど、トラブルを忘れて元気を出そうと決意を固めるほど、緊張をほぐして眠ろうとするほと、ストレス、悲しみ、眠れないことについての考えが、執拗に意識を刺激し続けることがある。
プライミン
無意識グ(意識化) にある概念的枠組み(スキーマ)に働きかけ、プライミング、活性化する。脳細胞のいくつかを揺さぶって起こしてスキーマのプライミングする。1種類の脳細胞を起こすと、眠っている他の脳細胞を起こす可能性を高める。
無意識が自発的に活動を行う。
1部の被験者に、母親の言語のスキルを調べるテストとして、7つの文字から5分間にいくつ単語が作れるかという作業被験者の成績は母親を喜ばせたいという目標を持っていたかどうか、そして母親のスキーマがプライミングされていたかどうかで左右された。実験の前半は母のスキーマを揺り起こす一方、母を喜ばせるという目的を実行に移し、被験者が言葉を作る作業への取り組みに影響を与えたのは、無意識だった。
仲のよい友人について尋ねられた後では、何かを頼まれたら助けてあげようという気持ちが高まる。友人について考えたことで、無意識のうちに人助けしようという目標がプライミングされるためである。仕事場のデスクにおいてある家族の写真は、無意識に家に早く帰宅させる気持ちをあおる。プライミングはどんなスキーマでも可能。そしてプライミングされたとき、行動は、それに合わせて変化する。老人に関係する単語を並べ変えた被験者は、エレベーターまで歩いていくとき、本当に腰の曲がった老人であるかのように他の被験者よりも歩くスピードが遅かった。 いくつもの文字を見せ、それが正しいか素早く判断させた。その単語の中にDietという言葉が入っていた。協力のお礼としてチョコバーかリンゴを選ばせた。ダイエットのスキーマが指導したため、このスキーマに属する単語が意識に上りやすくなり、ダイエットの目的も同時にプライミングされ、女性の2/3がリンゴを選んだ。ダイエットのスキーマをさりげなくプライミングしただけで、チョコレートを選びやすい女性の性質を抑制した。チョコが好物の人なら、無意識は、自己抑制スキーマを指導させようとはしない。
認知療法
自動思考の改善
自動思考は、身についてしまって自動的に出てしまうので否定的な思考ことをいう。認知療法は、歪んだ認知, 歪んでいる認知の仕方、否定的な自動思考を正そうとする。誤った学習によって、身についた行動は、学習しなおすことができる、という行動主義の学習理論にもとづいて、神経症、鬱、無気力量も学習された不適応な行動とみなし、適応的な行動に矯正していく方法がとられる。書いて貰う3つの欄がある。1.自動思考、2.認知の歪み、3.合理的な反応。1.自動思考:保健指導にあう、2.認知の歪み:考えすぎ、3.合理的な反応:それほどえげつなく請求しているわけでもない。 デビット D.バーンズは、1.状況、2. 不快な感情、3. 自動思考、4. 合理的反応、5. 結果を記述させる。1.状況-不快感を感じた時の状況を書く。2.不快な感情-感情を挙げ、感じた強さを書き込む。3.自動思考-の時生じた自働思考を書く。4.合理的反応-自動思考に代わる合理的な考え方を書く。5.結果-初めての感情と自動思考を改めて、どの位の強さで感じるかを書き込む。認知療法は、考え方の訓練で、合理的思考ができるようにする。こうに決まっていると思ったら、その証拠はあるのか、それがどうした、と自答する。認知療法は、1回45-50分面談を週1回、12-20週(3-5)か月行い、治療を終了することを目的としている。
BT(自律神経訓練法)
神経が自ら律するという意味で自律神経訓練法という。いらいらしている時、落ち着けようとすると更にいらいらするが自律神経訓練法でリラックスに持っていく。 自律訓練法は、自律神経に働きかけ、ともに、交感神経優位から副交感神経優位に切り替える方法である。 自律訓練等を患者に指導して、自分で治すように仕向けるのである。精神分析法の深層心理を引き出すのは困難で、症状の寛解迄に長期を有する。 逆に副交感神経が活発になると、心機能が平穏になり、消費したエネルギーが回復される為、消化器系の活動が活発になる。そのように仕向け、不安定から安定状態へと心の切り替える為にヨハネス・H・シュルツが考案した自律神経訓練法が行動療法に利用されている。これは、リラックスすることによって始めて可能になる。リラックスを知る方法は両腕をたらして、だらんとできているかである。
Counseling
共感的理解
カウセリング確立したロジャーズはひたすら患者さんの語ることを傾聴し、患者さんの述べる内容よりむしろ、それに伴う感情に注意を向け、相手の感情をそのまま認めて暖かく受け入れることが大切だとした。相手の言葉を批判したり、お説教したり、議論しない、いわゆる無条件の肯定的な関心を相手に向け、共感的理解に勤めるのである。「あなたは、このように感じるのですね」といった形で感情の明瞭化を助け、相手の言ったことを分かり易くまとめて私はこのように理解してよいのでしょうかと相手の真意を確かめるだけなのである。ファックスは、ひたすら話を聞いてあげると奇跡が生じる。うまくいかなくても笑われるだけで、相手を傷つけることが無いとした。
Timer
タイマーを15分にセットしブザーが鳴ったら顎位を認識するように指示する。もし、15分のセットで歯牙が接触しなくなったら、30分に伸ばす。習癖を改善するには3週間が必要であり、これが終了してから2期治療に入るべきである。問題を認識させライフスタイルを変え、適応する方法を指導する。適応することができないと、症状が再発することになる。行動指導として、ガムは食いしばりを誘発するので、控えてもらう。
BT(Respiration)
緊張している時、不安状態にある時、胸筋を使用し胸郭の運動による呼吸をしている。筋緊張、筋疼痛改善に行われる腹式呼吸は、横隔膜を上下させる呼吸法で、プロスタグランディンの分泌が促進され、活性酸素を消去し、血管を拡張し血流を良くする為、頭痛、顎関節症、筋緊張性疼痛等の治療に使用される。腹式呼吸法は、鼻から吸引する腹を意識し、膨張の限界に達したら、呼吸を停止し、出来るだけ、息を止めておいて、限界に達したら、腹を凹ましながら、20秒位かけてゆっくり口から出す。
Relaxation
顎の筋肉が緊張し、疲労すると、顎に痛みを被る顎関節症に発展する。リラクゼーションは、筋肉がリラックスした状態を意識的に作ろうとすることである。 ストレスが、増幅して大きなストレスに仕向ける精神交互作用によって、顎に痛みをこうむり、痛みに意識を集中させると痛みが増幅してしまう。痛みは脊髄を経由して知覚野、脳幹にある網様体を経由して視床に伝達される。網様体と視床が軽い外傷であると判断すると疼痛の信号は、そこで止められるが、精神交互作用は網様体、視床に働きをかけて痛みが脳全体に覚醒を呼びかけ、緊張し、疼痛感覚は内臓まで緊張させるほどに広がり慢性疼痛に発展させる。リラクゼーションは、ストレスを回避することでなく、精神交互作用を解くことで、緊張している脳の網様体、視床に対し、弛緩の感覚を呼び戻そうとする。 リラクゼーションとは、筋肉を弛緩させ、血圧が下げ、不眠、慢性頭痛の軽減などの効果があるといわれている。原理は、筋肉から力が抜け、リラックスすると筋紡錘;筋感覚の感度を調整するγ神経線維の興奮が減少し、筋紡錘の感度が鈍くなり、脳に伝達される上行性神経;筋肉の状態を脳に伝達する神経の興奮が減少する。すると網様体賦活系、辺縁系の興奮が減少し大脳皮質の興奮が収まり、精神的に安定する。生理的に副交感神経が賦活された平穏な状態で、心臓の鼓動が遅くなり、血圧が降下し、呼吸が遅くなる。焦り、怒り、恐れは、交感神経優位であり、随意的にリラクゼーションに入ることが出来れば、筋肉の緊張を克服することが出来る。 また、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚等の外感覚や筋肉の緊張度を感じる感覚である筋感覚を減少させることである。筋感覚の減少には、目を閉じる、耳をふさぐ、室温を保ち、外感覚を遮断する。外感覚と筋感覚が減少すると脳の興奮を伝達する機構である脳幹網様体賦活系がこれを受けて興奮が減少し、全身がリラックスした情報が脳に伝達され、精神的安定が得られる。 不安が高まると交感神経が活発になると筋肉が緊張し痛みを被るが、筋肉がリラックスさせると不安も痛みも減少し顎関節症が治る。手順は、静かな室内を薄暗くし、ソファで目を閉じ、あお向けに寝て、両腕、両足の力を抜く。気持ちが落ち着いている、雑念を消していく為、リラックスしていると唱える。リラクゼーション感覚がつかめない場合は、全身に力を入れ、数秒間緊張し、その後、全身を脱力させ、リラックス感を掴む。リラックスすると手足や指の先端が膨れて、しびれや暖かく感じる。練習は、1日3回、所要時間は、10-15分、最後の1分は目を開け、起き上がる。免疫機能を保つにもリラックスが重要であり、緊張状況下においてさえもリラクゼーションを教えられた人の免疫細胞、T細胞が増加し、リラックス状態で、ストレスホルモンであるコルチゾール、カテコールアミンが減少している。リラックスするようにという催眠暗示は、体内のコルチコステロイドのレベルを減少させ、免疫機能を向上する。自然の景色である緑や青色を見ることは、肯定的な気分を高揚させ、不安を減少させ、アルファ波の振幅を増大させる。アルファ波の高い振幅は、リラックスにつながることが判っている。木の見える病室に入院した患者の方が回復が早く、入院期間を短いことを示していた。
BT(Diet)
肉には、他のアミノ酸が含まれているので、サイズの小さいトリプトファンは、他のアミノ酸の競争に負けて、吸収されない。ご飯、野菜と一緒にとることによって、トリプトファンが増加する。肉だけ食べても、精神状態はよくならない。
Medication(Plasebo)
治療者を信頼しているとただの水を投与した場合でも、偽薬反応、プラシーボ反応が生じ、症状が改善されることは、プラシーボ効果と言われている。プラシーボ効果で疼痛が軽減している患者は疼痛除去作用を有するエンドルフィンレベルの上昇、免疫細胞の機能向上すら見られる。治療者の態度や言葉に計り知れない生理的反応を及ぼすといわれている。治療者の楽観的態度や希望的観測が患者さんの治療に対する意欲を増大させる。つまり治療者の思考、行動、態度は、患者さんの物の見方の改善、統制力の強化は苦痛軽減を促す。治療は性質だけでなく、治療者の態度、治療に対する信頼感、治療者と患者との間に存在するカルマ(因縁)関係に依存する。実際のプラシーボは35%の効果が働いている。偽薬をビタミンCだと信じていた人は風邪の罹患率が低く、偽薬と知っていた方が風邪の罹患率が高くなる。又、新薬を投与するとよくなることがよくあるのは、新薬の効果を期待した治療者の情熱が患者の希望的観測を動かし、プラシーボ効果を誘発する。治療者自らが、行動療法などの治療法に情熱を示せば症状の改善が上がる。結果を期待する方が一時的でも効果が上がり期待は生理学的、心理的変化を誘発する。肯定的な情報を耳にしている患者さんに治療を行うと効果が出るが、それが否定的な情報を信じ不安をあおられてしまうと効果がでない、さらにひどくなることさえある。
Cleting Physical Therapy
筋肉が過使用や食いしばりなどのパラファンクションによって、局在性の筋肉の疲労や疼痛を誘発する。この場合は、物理療法として暖めてもよい。さらに、筋肉を使用し続けたりしていると、今度は使用を止めても筋肉の緊張が持続し、弛緩しないので、筋肉が緊張を続けて筋肉の短縮、スパズムが生じる。血流は、動脈から入って、静脈に出て行くのであるが、スパズムが生じていると、静脈に出ていかない状態になってしまう。この場合、筋肉を暖めると更に、血液が増加し、出て行かなくなるので、スパズムを起こしているような場合は冷却しなければならない。
開口障害
Clentingして筋痛になれば、開口障害になる。 開口しないという行為は、痛みという記憶によって開口が制御されている。痛みという意識、記憶がなくなったことによって、開口できるようになるのである。この行動を維持していた意識、記憶がなければ行動は元に戻って増えて「復帰」する。 一般に開口困難は、繊維性癒着のような器質的な問題がなければ、心理的な問題である。。開口障害の原因が心理的問題があれば、医学モデルの考え方からすると、開口困難は、痛みという記憶によって開口する行為が弱化されていることになる。痛みという弱化随伴性がなくなったことによって、開口できるようになる。又、開口困難の強化随伴性がなくなれば、開口困難は解消される。
患者さんに口を開けてもらい、術者が開口させようとすると、口を開けないように自動域と他動域、あるいは、垂直位と座位とでは、開口度が変化する場合も、心理的な、人格障害の問題があるかもしれない。その他、筋肉疲労(乳酸蓄積)、発痛点、解剖学的な問題、骨関節炎、関節円板の癒着などが考えられる。通常、開口困難がある場合、筋障害を伴っている。
開口度の計測(How)
垂直的な開口度は、上下前歯の垂直的開口度との上下前歯のオーバーラップを足す必要があるので、正常は、上下前歯の垂直的な距離35mmに4mmの上下の前歯のオーバーラップが加わり実際の開口距離は、43mm、つまり2横指、指2本分になる。骨関節炎は、平均20mmしかあけることができない。 開口障害は、疼痛や疲労の記憶が動きを制限する。その間に筋肉が弛緩し、疲労物質である乳酸が除去される。その場合、下顎前歯部に上から力を加える。20~30mmと開口距離が伸びていくのであれば、筋肉の問題、心理的、あるいは、人格上の問題である事が判明する。もし、3mmしか増加しないのであれば、関節の問題でクローズドロックであることになる。アイシングなどの物理療法で、開口距離が増大するのであれば、筋肉の問題ということになる。筋肉の弛緩させ、乳酸を除去しようとするのであるが、その時期に筋肉が収縮すると筋肉はスパズムを起こして開口障害を誘発する、
強化因
行動の直後に必ず、何かが、出現しているか、消失しているかどちらかである。どんな行動でも強化され、強化因があるから行動する。行動が強化されている以上、強化因がある。直前になかった強化因が行動によって出現、あるいは、増加によって、行動が強化される。口をあけようとしない開口障害も強化因が存在するからである。
開口障害に対する治療
開口障害に対し、硬いものを食べたり、りんごのまるかじりを控えてもらう。ハンバーガーを食べる場合は、つぶしてから食べるように指示する。 患部に対し、最初に冷却によって、疼痛が止まるのかを診る。疼痛、開口障害があるところを30秒くらい冷却することによって、患部に熱を奪い、疼痛、開口困難が軽減されるか診る。冷却し、反射が阻害され開口障害が軽減され、指を挿入できるようになれば、指を口腔内に入れて、咬筋をマッサージする。これを繰り返し行うことによって、口をあけさせ、治療を行うことが出来るようになる。セルフコントロールとして、家庭で、消炎作用のある生姜を小麦粉と水で溶かしたものを布で包んだもので、患部に当ててもらう。こうしてもらうことによって、歯科治療で開口できるようになるのである。
反動形成
意識は多くの要素で生じる不確かなもの。真実を知りたいという欲求を阻止しているのは、自尊心や抱いてきた主張を揺るがすまいとする衝動である。認知能力は、優れているが、不合理、偏見、ごまかしにさらされ、正確さが蝕まれている。歪んでいて信頼するに足らないのは、他人に対する理解だけではない。自分の行動、思考はなにも理解していない。意識的な意志は弱いが攻撃的である。自分が有能で道徳心に富んでいると思って自我が傷つけられないように、脳が警戒の目を光らせている。自我を守るために、くいすばりし、他人を責め、記憶をすり替え、不利な証拠を隠す。
Displaced Discs
Prognosis of Diplaced Discs(円板偏移の予後)は、1.The Timming of the Joint Sounds, 2.The Loudness of the Joint Sounds, 3.The Amount of Lateral Deflection on Openingによって決定される。1.クリック音は開口してから遅い程、2.クリック音の音がかすかなほど、3.偏位の量は、偏位が少ないほど、円板後方肥厚部で変形陳腐化し、慢性化して予後が悪いということになる。患者さんが長い時間を待つことが出来れば、円板偏位に対し、復位できなくとも、円板があった位置には、瘢痕組織ができてくると考えられるので、何もしないのが最も良い治療ということができる。
BT to TMD
切端咬合、Ⅲ級にTMD少ないので、日本人は、この顎の形態が多いかので、TMD発症率が少なくなる。人口の30%の人からクリック音を聞くことが出来るが、舌を口蓋に位置させて20-30 mm開口すると顆頭は回転運動する。そうすると、関節雑音が残存しているのは5%位に減少するが、25%は消失した人は、治療が必要ない。その場合、Tongue Up Exercise、Rotation Exerciseする。Tongue Up Exerciseは、言語治療が指導するものであり、口蓋の裏側に舌が位置させるのである。開口時に回転が無く、滑走のみで下顎が前方に出してしまえば、クリック音が発生する。
円板偏位しやすい状態になっていれば、円板を押しやることになる。開口の時に舌が口蓋の位置になければ、最初の開口時における顆頭の回転の要素が無く、滑走が早すぎてHypermobility(過移動)に発展する。Early Translation(早すぎの滑走)によるHypermobilityを直すには、上唇と鼻の先端に定規を当てる。開口する時に、定規から下顎が離れて回転するEarly Translationの人は、から離れるはずの下唇がペンを前方に押しやってしまう。通常は、下顎は、後方に回転して下がり、滑走が始まり、下顎が前方にいくのである。クリック音を有する患者さんに最初に患者教育することは、回転運動ができるようにすることである。 咬合依存性の顎関節症は咬合を改変する必要がある。行動、心理的な問題によって顎関節症が誘発されている場合は、咬合を改変しないで、行動療法、リラクゼーション、セルフコントロールが要求される。殆どの人にスライディングが存在しているわけで、スライディングが存在するからといって、咬合を是正しなければならないわけではない。大がかりな修復処置をする場合には、今迄の咬頭嵌合位が存在しなくなるので、CRで治療するべきである。しかし、いずれ、スライディングが始まり、固有のスライディング値に落ち着くことになる。 脳腫瘍、脳の内部の外傷もTMD類似の疼痛を生じるので、鑑別診断が必要になる。頭痛は、頭蓋の内側と、外側から来るものに大別されるが、鑑別診断には、Cold Test(冷却)を用いる。顔面、頚部痛に対し、冷却してみて、数分で疼痛が軽減されるのであれば、運動障害に基づく、頭蓋の外側から由来するものである。頭蓋の内側から由来する疼痛の場合には、疼痛軽減は生じない。筋肉に作用して疼痛を和らげているのではなく、反射を中断させる為に、疼痛が消失するのである。 顎関節症は予防もセルフコントロールもできる。自分のPersonality、行動様式などの自分の問題を認識し、行動、習癖、生活様式を変える適応することができないと、症状が再発、問題に対処する技術、適応する方法を教育する。正しい姿勢、睡眠、硬いものやくちゃくちゃするものを食べるのをやめる食事、サックスのマウスピースを強く噛むのをやめさせる。これに対し、神経原生、血管性、精神疾患的なもの、膠原病やリュウマチなどの全身性などは、予防、セルフコントロールができない。
エクササイズの目的は、1.関節、靭帯のROMを増加する。2.頭、首、顎の解剖学的関係を修正する。3.筋群の調和を図る。4.悪習癖を除去。利点は、1.患者にも治療の1員である事を知って貰う為に必要。2.筋骨格系を正常化する為に、必要。、3.痛み、機能障害を除去、減少する。4.運動の開始は顎を引いた直立から始まることを理解して貰う。
行動療法に効果的なのは、1.栄養問題。2.ストレス由来の場合。1.効果的であることを態度で示す。2.協力を褒める3.数を制限する。4.患者さんをフォローアップする。
行動療法ができないのは、1.Joint Dislocation:関節、円板位置異常等の疾患は治せない。2.Joint Disease。3.Strainded Ligament:伸びてしまった靭帯は戻せない。3.Bite Disharmonies:咬合異常。 Trapezius Strainに対し、肩、手を後方に動かして貰う。毎回3回、1日30回することになる。Pectoralis Strainは、直立して行い、前傾しないで、腕を後方に行かせる状態にするが、指は、繋がない。腕を後方に動かし、Isometric等尺性に行う。Splenius Capitus(頭板状筋)Exerciseに対し、Shoulder Rolls(肩をすくめる、上げる運動)を行う。左右の手に3Kgになるようにゆっくり増量していくのであるが、肩を戻すと、両脇の椅子に、荷物が乗るようにする。 頭板状筋は、胸鎖乳突筋の後方にある小さな筋ではあるが、前傾して本を読む時などに、大切な筋肉である。直立し、手を後方に回し、反対側の耳を押さえて貰う。これだけで、頚部の疼痛が除去されることがある。3分、3回、左右を3ヶ月行う。背中の、肩甲骨の上方に疼痛を持つ患者の場合は、壁に立ち、後方の筋肉を触り、その肘を壁に当て、肘を思いっきり、上方に上げ、筋肉をストレッチする。頭板状筋は、胸鎖乳突筋の後方にある小さな筋ではあるが、前傾して本を読む時などに、大切な筋肉である。直立し、手を後方に回し、反対側の耳を押さえて貰う。これだけで、頚部の疼痛が除去されることがある。3分、3回、左右を3ヶ月行う。 背中の、肩甲骨の上方に疼痛を持つ患者の場合は、壁に立ち、後方の筋肉を触り、その肘を壁に当て、肘を思いっきり、上方に上げ、筋肉をストレッチする。Neck Rotation Exercise;肩が動かない様にして、首を左右に振る。Side Bending;肩を下げた状態で行い、肩を上げてはいけない首を左右に曲げる。Neck Flexionは、首を前後に曲げるのであるが、額を左右の手で押さえて、頭を前方に出そうとする、手で後方の頭を押さえて、後方に動かそうをする運動は、アイソメトリックである。 Head Resisting Exerciseは、手に対して頭を出そうとして、後方の筋肉が働かそうとする。次に、手に対し、頭を後ろに倒そうとする等尺性の運動。Jaw Resisting Exerciseは、顎を押さえて、その側に顎を動かそうとする咀嚼筋強化法で左右行う。Reflex Tappingは。拳をチンの下において,顎を開け様とするのに対し抵抗して、開口筋強化する。SternoCleidoMastoidに疼痛がある人に対し、仰向けで寝てもらい、頭を床から少し上げ、その状態で、頭を左右に振る。又休んで,再度同じ事を繰り返して貰う。 Jaw Stretching Exerciseは人差し指と中指を使用して顎を開ける訓練。2〜3横歯が要求される。Tongue Up Exerciseは、Hinge Opening Exerciseとも言われ、Hinji Movementをさせるには、舌の先端を口蓋の前方部に当てて開閉口させ、クリックを防止する。Mouth Opening Exercise:上下の正中に合うように片手に持った鏡を見ながら、開閉口する。逸脱しないように、反対側の手で押さえてまっすぐに開口できるようにする。肩甲骨から僧帽筋にかけて疼痛がある場合、仰向けになり、背中と床に空隙を作り、両手で、片側の膝を胸に着く迄、牽引する。 腰痛、あるいは、その予防に対し、足を反対側の腿に手で持ち上げて、数秒踏ん張る。立っている時、座っている時、寝ている時の姿勢を意識させる。反対側の肩に荷物をかけてはいけない。首で、℡を挟んではならない・横向き寝は、顎に過重されるので、仰向けで寝るように指導する。頭、膝の下に、大きくない枕を入れて寝て貰う。親指を上顎大臼歯部に当て、上顎の口蓋を離開させる。
ABC方式は、アルバート エリスが開発した認知行動療法で、まず、A(困った状況)、B(思い込み)、C(結果)がどのような作用をしているかを知ることである。A:Adversity:困った状況を記述する。それにに直面すると、考えをめぐらし思いこんだことを、B:Belief:思い込み、を記述する。思いこみは結果C:Consequcence:を生む。それに対し、D:Disputation:反論し、E:Energization:元気づける。ABCDE日記をつけてみる。ABCの因果関係がある特定の思いこみと落胆を生む。ABCの因果関係を知ることは、子供が楽観主義を学ぶための第1歩。
自分が悲観的な思い込みをしていることに気付いたら、対処の仕方は2つある。1.気をそらし、別のことを考える、2.その考えに反論するである。1.気をそらし、別のことを考える:自分の考えを否定することができたら、同じような状況が起こっても、このような思い込みにとらわれることが少ない。反芻が起こって、否定的思考に戻ってしまうのを防止するために関心を別のところに移すのが良い。そのことから頭から離れない場合は、ストップ、このことは、いついつ考えようと自分に言い聞かせる。潜在意識が反芻を起こすのであるから、書いて、考える時間を決めてしまうと反芻する必要がなくなる。 2.その考えに反論する。困難に出会ったとき、反射的に頭に浮かぶ考え方に反論することによって、いつもあきらめの反応をエネルギッシュな行動へと変えることができる。自分の信念は思い込みであって、事実ではないかもしれないと気付くことだ。反論するための4つのポイントは、1.証拠はあるか、2.別の考えかたはできるか、3.思い込みがほんとうだった場合、それはどんな意味を持つか、4.その考えは有効か、5.声を出して反論してみる。 うつに陥ると成績が急降下する。うつ病度が高いほど成績が悪い。無気力群と意欲群に出した問題で、解ける問題の場合は、両者に差は無かった。難解な問題を与えた時、無気力群は1年生レベルに落ち、意欲群は、4年生レベルにとどまり、あきらめず、作業を続けた。子供のうつ病、成績不振のもとにあるのは、悲観主義で子供はどうしようもないと思ったとき、努力するのを止めるから。不和の家庭の子供は、離婚家庭の子供たちと同じくらい重症のうつ病にあり、両親が喧嘩しなくなってからも続く。すべての段階で、男子は女子よりも高いうつ度を示している。この比率の逆転が、思春期、思春期後に生じる。 フロイトは、うつ病は自らに向けられた怒りだとし、精神分析家は、患者の感情を吐露させようとし、うつ病を悪化させ、自殺者と続出させた。アルバート エリスは、精神的葛藤とみなされた症状は、実は考え方が間違っているだけだなので、患者に間違った考え方はやめて、正しい考え方をしろと命令だけしただけで、深い無意識の葛藤を暴かなければならないという定説に挑戦し、患者の症状は改善した。彼らは、感情は自らの考え方によって決定されることを示した。勝利を収めた。アルバート エリス(心理学者)と、アーロン ティムキン ペック(愛称ティム、精神科医)は認知療法を開発した。彼らは心理療法史において、フロイトに次ぐ貢献を果たした。 ティム ペックによると、はうつ病者は、自分の将来について悪いことばかり考え、原因は、脳の化学物質が原因でもフロイトがいう内側に向けられた怒りではない。考え方に異常をきたしているだけで、意識的な考え方の習慣によって起こる。この習慣を変えることができれば、うつ病を解消することができる。ティムは、これを認知療法と呼んだ。認知療法は、悲観的説明スタイル、反芻を変えることができ、リラップスすることがない。楽観的説明スタイルに変え、反芻を減らす。投薬はうつ病から解放するが、世の中が明るく見えはしないが、認知療法は物の見方を変え、認知療法の方が再発率は少ない。 女性は、男性の2倍もうつ病に罹患しやすいのは、うつ病が増幅されるような考え方をするからである。男性は考えるより行動に出るが、女性は自分の症状を分析し、下手人を突き止めようと考え込むという”反芻”を行う。心理腫瘍学の教授、サンドラ レビーによると認知療法は、説明スタイルを変えることができる。何かが起きた時、自動的にどんなことを考えるかに気付く、気持ちをそらす、悲観的説明スタイルに反論する、ストレスに対するリラックス訓練をするとした群と対象群を作った。認知行動療法を受けている群のNK細胞が増習癖
テリトリを持つ動物は相手のテリトリに入ると闘争、あるいは逃走しようとする衝動に陥る。この相反する葛藤において、くいしばり、毛づくろい、体を掻くなどの「転位」という防衛機制する。人は、緊張、不安などに誘発される転位行動の代替として食いしばり、指しゃぶりなどの口を使う。幼児も母親との分離不安を感じる状況において指しゃぶりするが、防衛機制の内の「退行」の一つで発達の段階に逆戻りする現象であると考えられている。実現不可能な欲求に対し、食いしばりなどで、苦悩が深めないように抑圧という防衛機制を使う。情緒的なストレスのある環境において、口が不安を軽減する。このような指しゃぶりや食いしばりなどのパラファンクションに対し、いかにして歯科医として治療に参加できるか?口腔習癖をするのは、防衛機制であり、自分の内部を変えて不安や苦痛から自分を守ろうとする反応であり、何も意味がないと判っているにも関わらず、同じ行為を繰り返してしまうのであるが、問題が存在している証左であるとされている。習癖を止めさせようとすると、習癖が消去されることもあるが、習癖の固定、欲求不満、性格へ波及することもある。フロイトによると、指しゃぶりや食いしばりのようなパラファンクションをやめさせようとすると、口腔満足が阻害されたことになり、その時期に「固着」が起こり、気まぐれ、両極端、自己顕示的な傾向を持つ、境界性パーソナリティに近い特有な口唇期性格が形成されるという。このような習癖がある場合、その原因を認識し、それに対処しながら、どのようにしてその行動を望ましい方向に変えていくかを考えた。 愛情剥奪があると、身体、性格、習癖形成に影響すると考えられている。習癖形成理由にこの愛情剥奪、移行対象、欲求阻止状況、情緒的ストレス、強化因などが考えられる。習癖を止めさせようとすると、習癖の消去されることもあるが、習癖の異常固定、欲求不満兆候が表れる。口腔満足を阻害したり、習癖を消去させようとするような口腔衛生指導は、パラファンクションを除去されてしまうこともあるが、逆に罰を強化することによって習癖が固定化されてしまうこともある。欲求が阻害されると欲求不満になり、欲求不満が高じてくると、その欲求が減退し、本人の行動に影響しなくなって目標放棄される。仮に欲求が充足されたとすると行動の動因ではなくなり、他の欲求が出現する。欲求充足阻止に会うと、試行錯誤的に問題の解決しようとし行動が継続される。それでも欲求阻止されると、「置換」という防衛機制がとられ、さらなる習癖に発展することもある。一般にパラファンクションは、心理的な因子が問題行動を誘発しているとする医学モデルと考えることができる。 新生児が遭遇する最初の感覚経験である母親と口唇満足である吸乳、摂取、吸乳衝動の減少はその影響を後の行動に長く残すという。この時期のマザーリングが不適切だったりすると自律神経系は影響を受けることがあり、自律神経の不安定に加えて情緒的ストレスは情緒的、社会的な派生効果を及ぼすといわれている。口唇満足を通して不安を和らげようとするパラファンクションは、自律神経性に根ざすものであることが多い。指しゃぶりは、胎児の時からやっているのであるが、フロイトによると、3歳以上になっても続く場合、愛情飢餓、ストレスの兆候である。そして、口腔満足こそ、母親への愛着に関する発展を促し、方向づける指針の役割を果たすのであり、この口腔満足欲求を性欲の原型であり、子供の口愛と成人の性愛との間に連続性を主張して大人の性的快感の延長であり、同質のものであるとした。ウィニコットは子供がやる布やぬいぐるみを抱く行為を母親から他者への関心が移行する段階であるとして移行対象としたのであるが、指しゃぶりはその次の移行対象で、更にぬいぐるみやおもちゃに移行する。移行対象をひきずり続ける場合、母子分離時期に、愛情飢餓が起きているとした。R.F.マイヤーは、罰を強化したりすると習癖を固定されてしまうことを示した。NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.しかし、習癖が不正咬合、TMDや歯周病などの歯科疾患の原因になるのであれば止めさせる方法を考え、指導していかなければならない。そうでないのであれば、我々の行う口腔衛生指導は、パラファンクションを止めさせて口腔満足を奪うのではなく、スキンシップを図り、口腔満足による安心感を与えることが大切になる。
ピアジュによると、生後、5か月頃、乳児は、座れるようになると、手の運動が分化し、把握反応が発達してくる。6か月頃、乳歯は萌出し、手で口に物を入れるようになる。J.ピアジュ,大伴茂訳、遊びの心理学,黎明書店
意識しないで行われる行為が存在するが、習癖も意識しないで行われる行為である。習癖があるということは、何も意味がないと判っているにも関わらず、同じ行為を繰り返してしまうのであるが、問題が存在していることになり、欲求不満の症状であるのかもしれない。 Levyは乳首の孔の大きいビンで牛乳を飲ませた犬は、十分な口唇満足を得ることが出来ず、噛んだり、しゃぶったりする行動が多くなることを見つけた。 Levy,D.M.:Experiment on the sucking reflex and social behavior of dog-American Journal of Orthpsychiatry,Ⅵ.203Levyは、授乳時に、母親の乳房や牛乳瓶を早く離すと、十分に口唇を刺激する欲求を満足していない為に、指しゃぶりなどの習癖をするようになることを明らかにした。 Levy,D.M.:Fingersucking and accessory movements in early infancy American Journal of Psychiatry,Ⅶ,881,1928.新生児にとって快、不快の感覚は口唇に集約され、内的緊張の放出は、口唇で行われる。口唇は、幼児の緊張緩和の重要な器官である。 乳児は授乳を通じて緊張を開放する。乳を吸う行為は、外界を安心して受け入れるという精神活動の原型で、乳を吸い、内的に高まっている緊張を開放し、満足することが必要である。 E.H.Eriksonによると、口唇満足は、外界を信頼するという精神構造の萌芽である。こうして形成される人間の内的資質を「基本的信頼」とよび、希望という人間精神の中核になるのだと主張した。
習癖の種類
習癖は3つに分類される。1.その場だけのもので内部の反応が1時的なもの。2.変化した環境がある程度、持続為的なに防衛反応も、ある程度持続的なものになってしまったもの。3.全く元に戻らぬ状態に固定してしまったものに分けられる。 習癖が形成される必要条件は、1.新しい反応が生じること、2.これが固定され、3.持続的なものになることである。
習癖の原因
ヒトは直立し、咽頭が長くなり、言葉をしゃべれるように脳が再編成され、抽象的な物事を考えるようにになった。実験でボタンを好きなときに押させて、それをモニターして脳の活動を調べてみると、運動前野という運動プログラムするところが動き始めて、1秒経過してから動かそうとする意識が現れている。動かそうという脳が準備を始めてから、大脳皮質で動かそうという抽象的なクオリアが生まれる。感情、意識、クオリオより先に体が反応して習癖などの行動が起こっているらしい。
Sick House Syndrome
窓さえない空間に押しやられ、野生を追いやっている環境は、指しゃぶり、くいしばりしてしまうシックハウス症候群が言われている。ヒトには、自然世界とつながりを必要とする生まれながらの遺伝的欲求があると考えられている。
心理的要因
かつて、デカルトは「結果があれば原因がある」と言った。習癖の原因は、心の内部の傾向、緊張であり、心理的原因、意味を持ち、無意識の精神内部の葛藤に起因しているといわれている。 乳児は、乳を摂取する為のみならず、口愛的快感を繰り返し欲求する為に母親を求め、母からその満足が得られなければ代理物のおしゃぶり、指をしゃぶろうとする。乳児は、飢餓の衝動に駆られて乳をしゃぶっているのみならず、しゃぶるという行為は、満足をもたらすことを意味している。フロイトは快を求める口愛欲求こそ、乳児の母親への愛着に関する発展を促し、方向づける指針の役割を果たすようになると考えた。子どもにおいて、口腔習癖をする理由は、不安な時に安心する自己親密性に近い行動と考えられる。
子どもは、不安を感じたり、満足が得られなければ、口愛的快感を得ようとおしゃぶりや指をしゃぶるのだという。フロイトによると、これは、飢餓の衝動に駆られた行為であるという。フロイトは、快を求める口愛欲求を性欲の原型とみなし、子供の口愛と成人の性愛との間に連続性を主張して大人の性的快感の延長であり、同質のものであるものとみなした。大人の性器性欲は、小児性欲の再現であると性の2相性をと説いた。欲求の鬱積と緊張が高まれば、エネルギーの解放を求め欲求不満を体験し不快になり、このエネルギーの解消するプロセスで快を体験しよう口腔習癖に発展するのだと考えた。 フロイトは、生後から5歳くらいまで、しっかり指しゃぶりをさせておかないことによる性的欲求不満が大人になって神経症に発展することがあることを指摘した。
欲求阻止状況
(欲求阻止-防衛機制(代替行動)-習癖)
目的達成の阻止、抑制をいう欲求阻止状況にあると欲求不満に陥る。欲求不満になると、試行錯誤的に問題の解決しようとする。試行行為が成功すると行為が継続される。それでも欲求阻止されると、代替行為がとられ、さらなる習癖に発展する。 欲求不満がある程度、高じてくると、当面の目標に対する欲求が減退し、その欲求は本人の行動に影響しなくなって目標放棄する。あるいは、代替試行行為がとられ、習癖に発展することになる。 あるいは、欲求充足阻止に会うと、試行錯誤的に問題の解決、克服しようとする傾向の現れ、試行行為が成功するとその行為が継続されることもある。
欲求充足
しかし、欲求充足されると、強度を失い、目標へ向けての動機づけになる。エイブラハム マズローによると、欲求が充足されると行為の動因ではなくなり、充足されて、飽和欲求と呼ばれ、他の欲求が出現するという。
移行対象(愛情飢餓)
行為障害などの行動上問題が子には、この愛情剥奪体験があるという。ウィニコットは、指しゃぶりは、胎児の時からやっているのであるが、3-4歳になってもひきずり続ける場合、母子分離時期に、愛情飢餓が起きているとしている。 ウィニコットは子供がやる布やぬいぐるみを抱く行為を母親から他者への関心が移行する段階であるとして移行対象としたのであるが、指しゃぶりはその次の移行対象で、更にぬいぐるみやおもちゃに移行する。
愛情剥奪体験
ウィニコットによると、子供の成長において抱っこが他者との関係を形成するのに、重要な役割を果たし、それが無いと愛情の満足が阻害された愛情剥奪体験となり、a.身体、b.性格、c.行動に傷を残すという。
a.身体
愛情剥奪があると、短期間であっても、免疫系、内分泌系、成長に支障をきたし、成長ホルモンの分泌が低下して、成長が止まり、身長が伸びなかったり、免疫力が低下し病気がちになったり、脳の発育が遅れ学校成績が悪くなったりしてしまう。兄弟に病気や障害があり、母親がその子に手を焼いていると、子供に愛情剥奪が生じ、同じ現象が生じて、病理生理的な劣等性を誘発してしまうらしい。初期操作は副腎-交感神経系に影響し、脳下垂体-副腎の関係、自律神経系の調律、気質、情緒性に影響するのだという。
b.性格
フロイトによると、授乳期の愛情の満足が阻害された為、その時期に固着が起こり、気まぐれで、両極端で、自己顕示的な傾向を持つ、境界性パーソナリティに近い特有な口唇期性格が形成されるという。
習癖形成過程(How)
愛情剥奪、欲求阻止状況が続くと欲求不満に陥り、ストレスを被る。その状況において、 自我を崩さないように防衛機制によって習癖形成という反応が生じ、強化,固定化され、その行為が持続される。 習癖形成とは、1.新しい反応が生じ2.強化され、3.固定化され、4.持続的なものになることである。
習癖固定のプロセス
1.最初に試みた欲求を満足させる方法が最後まで残っていく現象が、「水路付け」と呼ばれるものである。 2.第2の行動様式の固定法は「条件づけ」といい、新しい反応を作ってこれを固定する条件反射である。条件反応が形成されることを条件づけと称される。
1/置換
捕食動物が非捕食獲物に逃げられたとき、置換という転位行動を取る。行動がなんらかの障害で行えない場合、転位行動として別の行動を行う。 飼育下のヒョウなどの動物は、自分の尻尾を噛む、霊長類を隔離すると、霊長類の指しゃぶり、あるいは、食いしばりという転位行動をするらしい。 口腔習癖は、新しい環境に入った事に拠る興奮、あるいは不安を鎮める機能を持つものと思われる。葛藤、緊張、不安の状況、アンビバレンスの衝動では、転位行動として機能し、人は食いしばる、幼児の指しゃぶりなどで不安を解消しようとする。 欲求不満が解消されない、したい行動が出来ない時も、代用目標に代えることによって満足させようと、転位行動、置換という防衛機制をして、自我が崩れないようにする。 転位行動は、代わりに代替をしなければならないので、習癖になる。 実現不可能な欲求に対し、口腔習癖をするのは防衛反応であり、置換は自分の内部を変えて不安や苦痛から自分を守ろうとする反応である。 防衛機制の置換として攻撃などの非理性的行為がとられることもある。ノーマン R.F.マイヤーは、攻撃は欲求不満表現の1形態にすぎないと言っていたが、攻撃的行為、敵意を欲求不満の原因と思われる対象物、あるいは、相手にぶつける。 NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.置換は、欲求が満足されない時、代用目標によって満足される現象で、1.昇華:社会的価値のあるものへの置換は昇華、2.一般的な置換が代償、3.身体的置換が転換で、口唇満足を得ていない子供が指しゃぶりに転換する。
2/退行(幼児返り)
大人になってからやるのは、うまく適応できない時、昔の習慣に退行する。退行は欲求不満があったりすると昔の習慣が頭を持ち上げる現象である、ショックを受けたり、生じるもので、子供時代の水路の再現であると考えられている。 幼児も母親との分離不安を感じる状況においておこなう指しゃぶりも、防衛機制の内の退行の一つで発達の段階に逆戻りする現象であると考えられ、退行は「幼児返り」といわれている。たとえば、下に弟や妹が生まれると、親の愛を独占できなくなると、親の愛を取り戻そうとする口唇癖などの直接的な幼児帰りだけでなく、さまざまな形を変えた、考え、感じ方、幼児的行動、習癖が出現するという。なんらかの欲求不満、たとえば愛情飢餓、注目されたい欲求が潜んでいると考えられる。口腔習癖以外の退行には次のようなものが考えられる。 1.睡眠:原始的な幼児性として睡眠願望があり、ひたすら、眠っていればよかった幼児期に戻ろうとして眠気を催す。 2.摂食:肥満傾向の人は、口が淋しくて、何か食べていようとする。たばこは、幼児の時の母親のおっぱいの代理満足だという考えがある。 3.言語:幼児が言語を覚え始めた頃の特徴に無意識にまねることによって年齢退行する。 4:だらしなさ:幼児の示すしつけへの反抗と同類の行動として不精、だらしなさがある。 5:なきごと、ぐち:親の保護を要求できた幼児期のように泣き言、ぐちを繰り返し、同情を得ようとする。すぐに親に保護を受けれなかった時に示す不満の表情、ふて腐れ、すねたり、ひがんだり、かんしゃくを起こしたりするという原始的な反抗、攻撃という形態をとる。
強化因
強化因とは、行動とそれがもたらす効果の関係とされ、意識されなくても、習癖などの行動は強化因によって変化し、強化因によっても習癖を制御されることがあるだろう。くいしばりなどの習癖の強化因は、快感、落ち着く、ストレス解消などであるが、負の強化因は、周囲の視線、顎の痛み、歯周病、不正咬合などが考えられる。
固着による口唇性格
フロイトは1歳前後に、快不快の感覚のもとに口唇活動が活発になるので、この時期を口唇期と呼んだ。K.Abrahamは、口唇期を2期に分割した。1/早期口唇期は、吸う、しゃぶるという行為が中心で、吸うことが優勢な時期。2/口唇サディズム期は、噛むことによる対象破壊傾向が出現する、噛むことが優勢になる時期。
口唇期に十分な口唇部位の活動を経験しなかった場合や、習癖を禁止された子供は、口唇性格という特性を持つに至り、口唇期への退行が生じ、習癖が持続され、固着が認められるようになる。そのような子どもの性格を口唇性格とみなし、この口唇性格を依存的タイプと楽天的タイプの2種類に分類している。
Levyは、同腹の犬を2群にわけ、Ⅰ群は細い穴、Ⅱ群は太い穴の管から人口授乳し、太い穴からのものは早く飲み終え、口唇欲求不満が大きくなり、長じて何でも舐める癖が止まなく、フロイトのいう口唇期への退行現象が生じることを示した。口唇期的欲求不満が人格形成上有害だとする主張を受容、又は、拒否できないことを示した。精神分析派は、幼児は、自我と呼ばれる現実的な適応能力は成熟していないので、性的衝動の発達は注意深く扱わなければ停滞し目標が逸脱するとした。
口唇期的欲求不満をもたらすようなしつけ方、時間決めの授乳方式は精神衛生上有害で、泣き叫ぶとき与えるという要求授乳方式は、フロイトイズム的観点から望ましいと考える。有名なスポックの育児書でも、欲求を制限しないしつけ方式、寛容型に傾いている。同腹の犬を2群にわけ、Ⅰ群は細い穴、Ⅱ群は太い穴の管から人口授乳した。太い穴からのものは早く飲み終え、口唇欲求不満が大きくなり、長じて何でも舐める癖が止まない。これは、フロイトのいう口唇期への退行現象が生じることを確認し、フロイトの説を弁護している。 ゴールドマンとエイスラーは、大学生の育児記録に基づいて早期離乳組と後期離乳組の2群に分け、性格特性を分析した。早期離乳組は、口唇性格的特長、受動性、依存性、隠れた撃性などの望ましくない特性が認められた。これによって、米国心理学会では、口唇期的欲求不満が人格形成上有害だとする主張が拒否できないとして、口唇欲求不満は口唇性格と作りあげる原因になるとするフロイトの業績が認められることになった。継続授乳を嫌う母親の拒否的傾向や冷たい母子関係が子供の不安や自閉症を誘発したと見る向きもある。
口腔習癖禁止
習癖禁止すると何が起こるか?
習癖を止めさせようとするとR.F.マイヤーは次のようなこと(1~3)が起こることを明らかにした。 NormanR.F.Maier,Frustration,The University of Michigan Press,1961.
1。消去
マイヤーによると、習慣的行為が満足を誘発しなかった場合、親や我々術者、懲を与えてやめさせようとすると、習癖が消去されることを明らかにした。 2.強化(リアクタンス)
R.F.マイヤーは、罰を増強すると習癖が強化されてしまう、リアクタンスという現象があることを示した。
3. 固定化(停滞、固着)
罰が行動に対し、欲求不満兆候を誘発し、異常固定、固着を誘発してしまうことを明らかにした。 フロイトは、生後から5歳迄に例えば、指しゃぶりなどを禁止されると、ひとたび停滞し固定したリピドーは抑圧され無意識化される。
リントナー(ハンガリー,小児科医)は、大きくなっても指しゃぶりを行うものは、マスターベーションにふける傾向がある事を示し、指しゃぶりと性の関連性を示した。 Lindner:Jahrbuch fur kinderheilkunde N.F.XIV,(1879);Freud:op.cit.S.80.
4.性格障害
口唇性格(不安障害)
フロイトによると、禁止されると、性的欲求不満に発展し、それが大人になってからエッチしたいという欲求は抑圧されるが、後に症状や夢といった様々な現象に神経症(不安障害)といった症状に変形されて姿を現すとした。
5.自立阻害
ソークによると、乳児期の初期に、この原始的な欲求を満たしてあげることによって、自立が促される。禁止すれば、自立が阻害されるとした。 ソーク、内藤寿七郎監修、野田雅子訳、リー・ソーク博士の育児書、TBS出版、1976.
禁止の禁止
フロイトは、生後1年間半は、子供の欲求とその充足は、口唇的なものであり、口唇は感受性と緻密な筋肉組織をもってその快感を味わうのであると考えた。乳児は、口唇満足を得ようとするが、満たされなければ欲求不満を起こす。
発達初期にのみある特性や障害が発生し、その修正は後になっては不可能に近いいわゆる臨界期としての意義を強調している。欲求不満を起こす条件があると停滞と固着が生じる。Wolfensteinは、性器いじりは検索行動の一種として容認されるのに、指しゃぶりに厳しい態度がとられるのは矛盾があると指摘し、指しゃぶりの「禁止の禁止」の重要性を明らかにした。 5歳迄の幼児性欲求は、性格の基礎構造、正常人格の土台を形成する時期でかけがえの無い時期であるので、禁止の禁止が主張されている。
口腔衛生指導
1.実行できる指示
Judis Komakiは有能な指導者の指示の出し方とそうでない指示の出し方の違いに着目し、患者教育の成否は、指示の出し方が異なっていることを明らかている。
患者教育はしやすい指示を出せるのが、よいハイジニスト。結果に原因が存在するなら、その原因に対処し、望ましい方向に変えるように指導する必要がある。 指示を出すだけでは行動の改善が見られない場合は、実行しやすいような指示を出すように心がけるべきである しかしながら、患者さんはその指示を決して守らないとしたら、患者さん、指導する歯科医、衛生士の方、あるいは、両者に問題があることになる。その原因に我々指導者側の知識不足、医学モデルなどが考えられる。
2.具体的指示(行動的翻訳)
我々指導者側は、歯磨きしなさいという抽象的な指示ではなく、バイオフィルムが堆積する歯と歯茎の間をターゲットにして歯周病を予防しましょう、あるいは、Dento Gingival JunctionにAccessしてそこに存在するPlaqueを除去しましょうとと具体的な指示を出すような行動的翻訳する方が実行され易いとされている。 たとえば、この僧帽筋という筋肉をストレッチしましょうという抽象的な指示ではなく、1セット30回と3回というふうに具体的な指示をする必要がある。困難な指示を出して挫折感を味わわせないで、少しづつハードルを上げ、達成感を味わわせ目標に到達させるのである。挫折したら、目標を下げ、1つ前の段階に戻って、励ますのである。 習癖を改善するためのオーラルスクリーンをやりましょうではなく、このくびれ(Sub Labial Pad)がなくなるまで、1日3時間というように具体的指示する必要がある。
頤筋習癖は不正咬合に導くことがある。Sub Labial Padの緊張を除去することによって、犬歯筋、三角筋、口角下制筋などが弛緩できるようにする。
3. シェーピング
達成可能な目標を設定し、達成したら少しずつ引き上げると最終目標に達成しやすい。シャーピングとは、高い目標を押し付けて挫折させるより、少しずつ目標を達成させ、達成感を味あわせながら最終目標に到達させることである。
4.叱責の禁止
叱責してしまうと、指導される側は叱責によって償われ、行動が持続されてしまうので、叱責は慎まなければならない。
5.術者側の反応強化
我々術者側の指示を守れないという行動の原因が分かるのなら、行動に問題がある時には、その原因に対処しながら、行動を望ましい方向に変更する方法もわかるはずである。 口腔衛生指導が成功しないのは、患者教育の時に、我々指導する側の反応、態度に問題があることが指摘されている。 デビット マクレランドとジョン アトキンソンは、意欲と努力は、成功の確率が50%に近づくほど高まり、それ以上成功率が高まっても、意欲と努力が漸減することを示している。目標達成が不可能、確実に近ければ、意欲付けにはならないのだ。口腔衛生の悪い子供にどなる状況が続くと逆に衛生状態が悪化する。親は、順次到達していくことによって最終目標につながるところの中間目標、達成可能な現実的目標を設定することで、正の強化を用いることができる。
口腔衛生指導の成功の鍵
5歳になっても習癖が持続し、不正咬合に発展する兆候があれば、習癖禁止しなければならない。習癖が不正咬合、TMDや歯周病の原因になっているのであれば、やめさせなければならない。
意識化
ヒステリー性格の人は、空想と現実を混同し、自分を実際以上にみせようと無意識にありもしない嘘を弄ぶ傾向がある。人は、習癖などの普段やっていること行為を意識化されると、その行為がスムーズにできなくなる。 患者さんに、自分の前に座らせ、指しゃぶり、爪を噛ませたり、タバコを吸わせたりする。そして、医院のスタッフはわざと大げさに驚いたようなフリをしてみせる。 人はみんなの同じこと、同調行動をしたいという同調心理がある。自分だけしているということが意識化されるとその行動は消去されてしまう。
嫌悪化
習癖は意識化してその動作を行ってみると嫌悪感が生じる為、直ってしまう。 嫌悪療法とは、悪癖を直す為に、それをやりだした時に、不快な刺激を与えて意識化させると無意識に行為をやめさせる。悪癖、習慣を故意に行うことで嫌悪感が生じ、固定化を解除することができるのである。 人はある行為をしている最中に、不快な刺激が与えられると、行為そのものに嫌悪感を抱くようになる。好きな行為でも、その最中に不快な刺激を受けるだけで嫌いになるのである。 習癖をしているときに、太鼓をたたいたりして、不快な大きな音を鳴らして、その行動を消去する。 何気なく行っていることを意識化させた途端、その習慣を破壊することができる。
代替行動
代替行動とは、同じ機能を持つ代わりの行動のことを代替行動という。 代替としてオーラルスクリーン、おしゃぶりを装着させて、習癖を禁止する。 おしゃぶりは、開口を誘発するので、オーラルスクリーンを使用させるべきである
抹殺法
抹殺法は、子供が、布をかじっている場合、親に言って、その布を没収してもらう。
Clenting
Clentingの意味
刺激を受けるのが入力だとすると、その刺激に反応するのが出力になり、最終的な出力、行動を決定する頭頂葉の前方にある運動野のある場所を刺激すると顎が動き、ある別の場所を刺激すると、別の運動が起こる。プログラム系の神経を刺激して顔の筋肉が動き、結果としてある決まった表情になるのである。筋肉をコントロールするような神経を刺激することで運動が起こり、運動野が刺激されることで、クレンチング(くいしばり)が誘発される。 顎関節症の疼痛の原因の90%が筋痛であり、筋痛のほとんどんの原因は、ClentingなどのParafunction(異常機能)であると考えられている。 哺乳類は新しい顎と歯を進化させ地位を獲得
した。恐竜は、同形歯だが、ほ乳類は、異形歯で、位置ごとに違う歯が這えている。哺乳類は顎を進化させ、いろんな食べ物から最大限の栄養素を引き出す歯を持っている。犬歯でかじりとり、食べたものは小臼歯で切り裂かれ、大臼歯で、消化しやすいように大きさにする。犬歯は、Clentingに使用されるようになった。
1.Inquiry(問診)
人は、それぞれ、痛みに異なった認識、反応、感じ方をする。痛みに対する感じ方、度合いが違うので、精神状態を考え、それを知る為に、問診によって、疎通性、ラポールを作ることから始まる。 朝起きたときが顎が最も痛い場合、歯軋りが、夕方にもっとも痛いというのであれば、おそらく、食いしばり関与していることになる。痛いところを指で指してというと、咀嚼筋を指す 。
Palpation(触診)
Clntingやっていることを診断するには、触診において咀嚼筋にtender(圧痛)、開口困難がある。それらの筋肉が短縮していることを意味する。 1/Massetter Palpation
頬骨弓直下の触診による圧痛の出現で確認することができる。咬合平面に対して、直角方向に食いしばりすれば、咬筋浅部の起始部に疼痛が誘発される
2/Lateral Pterygoid Palpation
下顎を右側方向に歯軋りすれば、左側の外側翼突筋に疼痛が発生する。 2.Free Way Space
安静空隙は、平均2-7mmで食隗の大きさであり、咬筋が最もパワーを出す距離であるとされている。安静空隙は、SubnasaleとMentonに印を付け、MMMと発音をしてもらい、顔が1番短くなった時の長さを計測する。くいしばりする患者さんの安静空隙は1mm以下に短縮し、MMMを発音するときに、歯牙が衝突しがちになるが、それと咬合面をすり減らすこととは無関係である。筋の不調和、咬筋疼痛、長時間の開口困難を被りがちなるので、筋肉の処置をしなければならない。食いしばりをする人の安静空隙は、1mm以下である。
帯状回
動物は、子を失ったりすると、大脳辺縁系の帯状回の前方部が活動していることが動物実験で示されている。 シカトされた時にも怪我の痛みに感じる個所である帯状回の前方個所が反応している。このことは、心の痛みも体の痛みは、同じ痛みとして帯状回に来る。帯状回の反応が大きいほど、気分の落ち込みも激しい。 いしばりすることで、帯状回の反応を紛らわそうとしている。 葛藤の状況(不安、恐怖)
顎関節症の人の痛みに感情、情緒が大きく影響している。 環境に恐怖があり、社会的接触が不可能な人は行動を超親密化する事によって慰安と安心を求める。 くいしばり等の行為を繰り返すことで親密で安全なものになる。
引きこもり
引込んでしまった人、社会的に不活発な人は、環境に恐怖があり、社会的接触が不可能に感じられ、わずかな活動に固執し、一つの行為を律動的に繰り返し、繰り返しから得られる親密性によって安心を求めようとする。
子宮返り
くいしばりすることによって、体の中で慰安的で、リズミカルな動きを導き出し、子宮の中の安全な世界に戻ろうとしていると考えられている。 体の中で慰安的な動きを導き出し、子宮の中の安全な世界に戻ろうとする。葛藤状態にある時や苦しい時、不安状態の時にくいしばったり、体をゆする。音楽はその性質をより明確に示す名前を採用し、Beat;拍動と呼ばれている。Jazz界の巨匠と呼ばれたJohn Coltraneのもとでリズムを支えた世界最高のドラマー、Elvin Jonesは、最も好きなリズムは心臓と同じ速度だと言った。
退屈
ストレス状況でも生じるが、退屈さへの反応でもしょうじる。檻などの拘束された退屈状況でも生じる。檻の中に見慣れぬもの、新人を入れてやったら、食いしばりなどの習癖が消失したら、退屈が原因であることになるかもしれない。もし、正常な社会環境を作っても、続く場合は、固体が異常に隔離された幼児期を過ごしたことがあるのかもしれない。
長期的なストレスは神経細胞を委縮させる。
Defense Mechanism
ロバート サポルスキー(スタンフォード大学、心理学者)は、精神内分泌学の研究では電気ショックを与えられたネズミが放出する糖質コルチコイドは、ネズミがしゃぶることのできる棒、もっと効果の高いのは他のネズミに噛み付くことができるようなはけ口があれば、分泌も減少することができることを見つけた。動物は食いしばりすることによって、自我が崩れないように、ストレスに対する防衛機制している。クレンチャーにスプリントは、ストレスに対するはけ口になる。
転位行動(置き換え)
食いしばりは、ストレス状況下で生じ、安心機能として作用する転位行動とみなされる。 緊張、不安、葛藤に引き起こされこどもの指しゃぶりと同じ転位行動である。 環境に恐怖があり、社会的接触が不可能に感じられるので、行動を超親密化する事によって慰安と安心を求める置き換えである。
反動形成
くいしばりなどのパラファンクションは、基底不安の防衛の為の反動形成であり、不安などの動因が誘発した強迫的な行動である。基底不安を経験したものは、不安を直面することが出来ず、不安から逃れる為、防衛の手段として用い、顎関節症に発展させる。
咬筋(上ストレスなし、下ストレス)
強化(学習)
行動は結果による選択とも考えることもできる。
くいしばっていらいら解消の満足という「強化因の出現」によって強化される。 止められない行動は、強化因があり、強化因をなくせば行動は消去される。 食いしばりの強化因は不安であれば、強化因の不安を解消すれば、食いしばり行動は弱化、消去されることになるかもしれない。
Clenting Pain Cause
不安や恐怖を被ると交換神経の活動が高まり、心臓機能が活発になり、エネルギーを消耗する態勢に入り、消化器系が抑制され、筋肉が緊張し、食いしばりし頭痛、筋痛を被りやすくなる。 くいしばりは筋肉に、歯軋りは顎関節に影響を及ぼすといわれている。 過度に用いられると不可逆的、脅迫観念となり、必要がないのに持続され、筋肉は緊張する。 運動連合野はどんな運動をするか運動野に指令を出す。ボクサーの場合、運動連合野は、相手との距離、動きに合わせて、パンチを出すという指令を運動野に出す。運動野はそれを受けとり、その情報を脊髄の運動神経を通して筋肉に伝え、運動、パンチを出す。
人は、不安を感じると、不安を解消する為、運動連合野は、Clenting(食いしばり行為)を行うように運動野に指令を出す。それを受けとった運動野は、その情報を脊髄の運動神経を通して筋肉に伝え、Clentingを起こす。このClentingに適応できないと顎関節痛になる。 筋細胞が収縮すると血管は圧迫され、新鮮な血液が筋細胞への流れを阻害し血液不足を齎し、血液が絶たれた状態での筋収縮の持続は、筋肉に乳酸を貯め、2分間の筋の収縮は筋肉を休ませようと疼痛、開口障害が生じる。
食いしばりする人は、筋肉が長時間にわたって収縮しなければならない状況になり、Okesonは顎関節症における疼痛の原因を発見した。Okesonによると、通常はClentingは平均8秒位の持続時間であるが、Clentingの習癖がある人は、8秒よりも長くなっていること明らかにした。そのため、Clentingしている人は筋肉を弛緩させる時間が短くなって疼痛を被ることになる。 そのために、食いしばりをしていると咬筋浅部の起始部が疼痛を被るようになり、その疼痛は無意識に開口を抑制を抑制させ、開口障害に発展させることになる。 疼痛の度合いや頻度は疼痛を訴えた状況によって制御されている。どちらかというとヒステリー性格の場合、疼痛に誰かが同情するひとが居るとオペラント学習し、周囲が強化し疼痛が持続される疾病利得を示すようになる
Clenting Treatment(How)
顎関節症の9割が筋痛、筋痛の原因が食いしばりなどのParafunctionであるとされている。 通常の食いしばり時間は、平均8秒位、Clentingの習癖がある人は、8秒よりも長くなって疼痛を被っているのであれば(Okeson Study)長くならないようにすることが治療目標になる。
BT:Which
原因がストレスだとしたらStress Management,Relaxation Therapyが必要である。
CBT(意識化)
慢性疼痛の患者さんは、重症になる程、自分を客観視できない。歯科医は、客観視、意識化させるきっかけを与える必要がある。自己コントロールの原則は、自分を客観視できるかである。 症状は、意識から排除され、行き場を失った無意識によって形成されるもので意識化されるようにしてやれば症状が無くなると考え、それをカタルシス効果と呼ばれている。 硬いものを噛んで、顎への痛みの出現によって、硬いもの噛む行為が弱められる。あるいは、硬いものを噛んで、顎への痛みの出現したことを教えると硬いものを噛む行為が弱められることになるかもしれない。 それでも、問題がくいしばりにあるということを認知しようとしない場合、習慣的に、下顎を機能域外に牽引し、その偏位させた状態でくいしばりさせ、そのことによる疼痛である事を認知させる。 リラックスして不安を忘れようとするほど、トラブルを忘れて元気を出そうと決意を固めるほど、緊張をほぐして眠ろうとするほと、ストレス、悲しみ、眠れないことについての考えが、執拗に意識を刺激し続けることがある。
プライミン
無意識グ(意識化) にある概念的枠組み(スキーマ)に働きかけ、プライミング、活性化する。脳細胞のいくつかを揺さぶって起こしてスキーマのプライミングする。1種類の脳細胞を起こすと、眠っている他の脳細胞を起こす可能性を高める。
無意識が自発的に活動を行う。
1部の被験者に、母親の言語のスキルを調べるテストとして、7つの文字から5分間にいくつ単語が作れるかという作業被験者の成績は母親を喜ばせたいという目標を持っていたかどうか、そして母親のスキーマがプライミングされていたかどうかで左右された。実験の前半は母のスキーマを揺り起こす一方、母を喜ばせるという目的を実行に移し、被験者が言葉を作る作業への取り組みに影響を与えたのは、無意識だった。
仲のよい友人について尋ねられた後では、何かを頼まれたら助けてあげようという気持ちが高まる。友人について考えたことで、無意識のうちに人助けしようという目標がプライミングされるためである。仕事場のデスクにおいてある家族の写真は、無意識に家に早く帰宅させる気持ちをあおる。プライミングはどんなスキーマでも可能。そしてプライミングされたとき、行動は、それに合わせて変化する。老人に関係する単語を並べ変えた被験者は、エレベーターまで歩いていくとき、本当に腰の曲がった老人であるかのように他の被験者よりも歩くスピードが遅かった。 いくつもの文字を見せ、それが正しいか素早く判断させた。その単語の中にDietという言葉が入っていた。協力のお礼としてチョコバーかリンゴを選ばせた。ダイエットのスキーマが指導したため、このスキーマに属する単語が意識に上りやすくなり、ダイエットの目的も同時にプライミングされ、女性の2/3がリンゴを選んだ。ダイエットのスキーマをさりげなくプライミングしただけで、チョコレートを選びやすい女性の性質を抑制した。チョコが好物の人なら、無意識は、自己抑制スキーマを指導させようとはしない。
認知療法
自動思考の改善
自動思考は、身についてしまって自動的に出てしまうので否定的な思考ことをいう。認知療法は、歪んだ認知, 歪んでいる認知の仕方、否定的な自動思考を正そうとする。誤った学習によって、身についた行動は、学習しなおすことができる、という行動主義の学習理論にもとづいて、神経症、鬱、無気力量も学習された不適応な行動とみなし、適応的な行動に矯正していく方法がとられる。書いて貰う3つの欄がある。1.自動思考、2.認知の歪み、3.合理的な反応。1.自動思考:保健指導にあう、2.認知の歪み:考えすぎ、3.合理的な反応:それほどえげつなく請求しているわけでもない。 デビット D.バーンズは、1.状況、2. 不快な感情、3. 自動思考、4. 合理的反応、5. 結果を記述させる。1.状況-不快感を感じた時の状況を書く。2.不快な感情-感情を挙げ、感じた強さを書き込む。3.自動思考-の時生じた自働思考を書く。4.合理的反応-自動思考に代わる合理的な考え方を書く。5.結果-初めての感情と自動思考を改めて、どの位の強さで感じるかを書き込む。認知療法は、考え方の訓練で、合理的思考ができるようにする。こうに決まっていると思ったら、その証拠はあるのか、それがどうした、と自答する。認知療法は、1回45-50分面談を週1回、12-20週(3-5)か月行い、治療を終了することを目的としている。
BT(自律神経訓練法)
神経が自ら律するという意味で自律神経訓練法という。いらいらしている時、落ち着けようとすると更にいらいらするが自律神経訓練法でリラックスに持っていく。 自律訓練法は、自律神経に働きかけ、ともに、交感神経優位から副交感神経優位に切り替える方法である。 自律訓練等を患者に指導して、自分で治すように仕向けるのである。精神分析法の深層心理を引き出すのは困難で、症状の寛解迄に長期を有する。 逆に副交感神経が活発になると、心機能が平穏になり、消費したエネルギーが回復される為、消化器系の活動が活発になる。そのように仕向け、不安定から安定状態へと心の切り替える為にヨハネス・H・シュルツが考案した自律神経訓練法が行動療法に利用されている。これは、リラックスすることによって始めて可能になる。リラックスを知る方法は両腕をたらして、だらんとできているかである。
Counseling
共感的理解
カウセリング確立したロジャーズはひたすら患者さんの語ることを傾聴し、患者さんの述べる内容よりむしろ、それに伴う感情に注意を向け、相手の感情をそのまま認めて暖かく受け入れることが大切だとした。相手の言葉を批判したり、お説教したり、議論しない、いわゆる無条件の肯定的な関心を相手に向け、共感的理解に勤めるのである。「あなたは、このように感じるのですね」といった形で感情の明瞭化を助け、相手の言ったことを分かり易くまとめて私はこのように理解してよいのでしょうかと相手の真意を確かめるだけなのである。ファックスは、ひたすら話を聞いてあげると奇跡が生じる。うまくいかなくても笑われるだけで、相手を傷つけることが無いとした。
Timer
タイマーを15分にセットしブザーが鳴ったら顎位を認識するように指示する。もし、15分のセットで歯牙が接触しなくなったら、30分に伸ばす。習癖を改善するには3週間が必要であり、これが終了してから2期治療に入るべきである。問題を認識させライフスタイルを変え、適応する方法を指導する。適応することができないと、症状が再発することになる。行動指導として、ガムは食いしばりを誘発するので、控えてもらう。
BT(Respiration)
緊張している時、不安状態にある時、胸筋を使用し胸郭の運動による呼吸をしている。筋緊張、筋疼痛改善に行われる腹式呼吸は、横隔膜を上下させる呼吸法で、プロスタグランディンの分泌が促進され、活性酸素を消去し、血管を拡張し血流を良くする為、頭痛、顎関節症、筋緊張性疼痛等の治療に使用される。腹式呼吸法は、鼻から吸引する腹を意識し、膨張の限界に達したら、呼吸を停止し、出来るだけ、息を止めておいて、限界に達したら、腹を凹ましながら、20秒位かけてゆっくり口から出す。
Relaxation
顎の筋肉が緊張し、疲労すると、顎に痛みを被る顎関節症に発展する。リラクゼーションは、筋肉がリラックスした状態を意識的に作ろうとすることである。 ストレスが、増幅して大きなストレスに仕向ける精神交互作用によって、顎に痛みをこうむり、痛みに意識を集中させると痛みが増幅してしまう。痛みは脊髄を経由して知覚野、脳幹にある網様体を経由して視床に伝達される。網様体と視床が軽い外傷であると判断すると疼痛の信号は、そこで止められるが、精神交互作用は網様体、視床に働きをかけて痛みが脳全体に覚醒を呼びかけ、緊張し、疼痛感覚は内臓まで緊張させるほどに広がり慢性疼痛に発展させる。リラクゼーションは、ストレスを回避することでなく、精神交互作用を解くことで、緊張している脳の網様体、視床に対し、弛緩の感覚を呼び戻そうとする。 リラクゼーションとは、筋肉を弛緩させ、血圧が下げ、不眠、慢性頭痛の軽減などの効果があるといわれている。原理は、筋肉から力が抜け、リラックスすると筋紡錘;筋感覚の感度を調整するγ神経線維の興奮が減少し、筋紡錘の感度が鈍くなり、脳に伝達される上行性神経;筋肉の状態を脳に伝達する神経の興奮が減少する。すると網様体賦活系、辺縁系の興奮が減少し大脳皮質の興奮が収まり、精神的に安定する。生理的に副交感神経が賦活された平穏な状態で、心臓の鼓動が遅くなり、血圧が降下し、呼吸が遅くなる。焦り、怒り、恐れは、交感神経優位であり、随意的にリラクゼーションに入ることが出来れば、筋肉の緊張を克服することが出来る。 また、視覚、聴覚、触覚、臭覚、味覚等の外感覚や筋肉の緊張度を感じる感覚である筋感覚を減少させることである。筋感覚の減少には、目を閉じる、耳をふさぐ、室温を保ち、外感覚を遮断する。外感覚と筋感覚が減少すると脳の興奮を伝達する機構である脳幹網様体賦活系がこれを受けて興奮が減少し、全身がリラックスした情報が脳に伝達され、精神的安定が得られる。 不安が高まると交感神経が活発になると筋肉が緊張し痛みを被るが、筋肉がリラックスさせると不安も痛みも減少し顎関節症が治る。手順は、静かな室内を薄暗くし、ソファで目を閉じ、あお向けに寝て、両腕、両足の力を抜く。気持ちが落ち着いている、雑念を消していく為、リラックスしていると唱える。リラクゼーション感覚がつかめない場合は、全身に力を入れ、数秒間緊張し、その後、全身を脱力させ、リラックス感を掴む。リラックスすると手足や指の先端が膨れて、しびれや暖かく感じる。練習は、1日3回、所要時間は、10-15分、最後の1分は目を開け、起き上がる。免疫機能を保つにもリラックスが重要であり、緊張状況下においてさえもリラクゼーションを教えられた人の免疫細胞、T細胞が増加し、リラックス状態で、ストレスホルモンであるコルチゾール、カテコールアミンが減少している。リラックスするようにという催眠暗示は、体内のコルチコステロイドのレベルを減少させ、免疫機能を向上する。自然の景色である緑や青色を見ることは、肯定的な気分を高揚させ、不安を減少させ、アルファ波の振幅を増大させる。アルファ波の高い振幅は、リラックスにつながることが判っている。木の見える病室に入院した患者の方が回復が早く、入院期間を短いことを示していた。
BT(Diet)
肉には、他のアミノ酸が含まれているので、サイズの小さいトリプトファンは、他のアミノ酸の競争に負けて、吸収されない。ご飯、野菜と一緒にとることによって、トリプトファンが増加する。肉だけ食べても、精神状態はよくならない。
Medication(Plasebo)
治療者を信頼しているとただの水を投与した場合でも、偽薬反応、プラシーボ反応が生じ、症状が改善されることは、プラシーボ効果と言われている。プラシーボ効果で疼痛が軽減している患者は疼痛除去作用を有するエンドルフィンレベルの上昇、免疫細胞の機能向上すら見られる。治療者の態度や言葉に計り知れない生理的反応を及ぼすといわれている。治療者の楽観的態度や希望的観測が患者さんの治療に対する意欲を増大させる。つまり治療者の思考、行動、態度は、患者さんの物の見方の改善、統制力の強化は苦痛軽減を促す。治療は性質だけでなく、治療者の態度、治療に対する信頼感、治療者と患者との間に存在するカルマ(因縁)関係に依存する。実際のプラシーボは35%の効果が働いている。偽薬をビタミンCだと信じていた人は風邪の罹患率が低く、偽薬と知っていた方が風邪の罹患率が高くなる。又、新薬を投与するとよくなることがよくあるのは、新薬の効果を期待した治療者の情熱が患者の希望的観測を動かし、プラシーボ効果を誘発する。治療者自らが、行動療法などの治療法に情熱を示せば症状の改善が上がる。結果を期待する方が一時的でも効果が上がり期待は生理学的、心理的変化を誘発する。肯定的な情報を耳にしている患者さんに治療を行うと効果が出るが、それが否定的な情報を信じ不安をあおられてしまうと効果がでない、さらにひどくなることさえある。
Cleting Physical Therapy
筋肉が過使用や食いしばりなどのパラファンクションによって、局在性の筋肉の疲労や疼痛を誘発する。この場合は、物理療法として暖めてもよい。さらに、筋肉を使用し続けたりしていると、今度は使用を止めても筋肉の緊張が持続し、弛緩しないので、筋肉が緊張を続けて筋肉の短縮、スパズムが生じる。血流は、動脈から入って、静脈に出て行くのであるが、スパズムが生じていると、静脈に出ていかない状態になってしまう。この場合、筋肉を暖めると更に、血液が増加し、出て行かなくなるので、スパズムを起こしているような場合は冷却しなければならない。
開口障害
Clentingして筋痛になれば、開口障害になる。 開口しないという行為は、痛みという記憶によって開口が制御されている。痛みという意識、記憶がなくなったことによって、開口できるようになるのである。この行動を維持していた意識、記憶がなければ行動は元に戻って増えて「復帰」する。 一般に開口困難は、繊維性癒着のような器質的な問題がなければ、心理的な問題である。。開口障害の原因が心理的問題があれば、医学モデルの考え方からすると、開口困難は、痛みという記憶によって開口する行為が弱化されていることになる。痛みという弱化随伴性がなくなったことによって、開口できるようになる。又、開口困難の強化随伴性がなくなれば、開口困難は解消される。
患者さんに口を開けてもらい、術者が開口させようとすると、口を開けないように自動域と他動域、あるいは、垂直位と座位とでは、開口度が変化する場合も、心理的な、人格障害の問題があるかもしれない。その他、筋肉疲労(乳酸蓄積)、発痛点、解剖学的な問題、骨関節炎、関節円板の癒着などが考えられる。通常、開口困難がある場合、筋障害を伴っている。
開口度の計測(How)
垂直的な開口度は、上下前歯の垂直的開口度との上下前歯のオーバーラップを足す必要があるので、正常は、上下前歯の垂直的な距離35mmに4mmの上下の前歯のオーバーラップが加わり実際の開口距離は、43mm、つまり2横指、指2本分になる。骨関節炎は、平均20mmしかあけることができない。 開口障害は、疼痛や疲労の記憶が動きを制限する。その間に筋肉が弛緩し、疲労物質である乳酸が除去される。その場合、下顎前歯部に上から力を加える。20~30mmと開口距離が伸びていくのであれば、筋肉の問題、心理的、あるいは、人格上の問題である事が判明する。もし、3mmしか増加しないのであれば、関節の問題でクローズドロックであることになる。アイシングなどの物理療法で、開口距離が増大するのであれば、筋肉の問題ということになる。筋肉の弛緩させ、乳酸を除去しようとするのであるが、その時期に筋肉が収縮すると筋肉はスパズムを起こして開口障害を誘発する、
強化因
行動の直後に必ず、何かが、出現しているか、消失しているかどちらかである。どんな行動でも強化され、強化因があるから行動する。行動が強化されている以上、強化因がある。直前になかった強化因が行動によって出現、あるいは、増加によって、行動が強化される。口をあけようとしない開口障害も強化因が存在するからである。
開口障害に対する治療
開口障害に対し、硬いものを食べたり、りんごのまるかじりを控えてもらう。ハンバーガーを食べる場合は、つぶしてから食べるように指示する。 患部に対し、最初に冷却によって、疼痛が止まるのかを診る。疼痛、開口障害があるところを30秒くらい冷却することによって、患部に熱を奪い、疼痛、開口困難が軽減されるか診る。冷却し、反射が阻害され開口障害が軽減され、指を挿入できるようになれば、指を口腔内に入れて、咬筋をマッサージする。これを繰り返し行うことによって、口をあけさせ、治療を行うことが出来るようになる。セルフコントロールとして、家庭で、消炎作用のある生姜を小麦粉と水で溶かしたものを布で包んだもので、患部に当ててもらう。こうしてもらうことによって、歯科治療で開口できるようになるのである。
反動形成
意識は多くの要素で生じる不確かなもの。真実を知りたいという欲求を阻止しているのは、自尊心や抱いてきた主張を揺るがすまいとする衝動である。認知能力は、優れているが、不合理、偏見、ごまかしにさらされ、正確さが蝕まれている。歪んでいて信頼するに足らないのは、他人に対する理解だけではない。自分の行動、思考はなにも理解していない。意識的な意志は弱いが攻撃的である。自分が有能で道徳心に富んでいると思って自我が傷つけられないように、脳が警戒の目を光らせている。自我を守るために、くいすばりし、他人を責め、記憶をすり替え、不利な証拠を隠す。
Displaced Discs
Prognosis of Diplaced Discs(円板偏移の予後)は、1.The Timming of the Joint Sounds, 2.The Loudness of the Joint Sounds, 3.The Amount of Lateral Deflection on Openingによって決定される。1.クリック音は開口してから遅い程、2.クリック音の音がかすかなほど、3.偏位の量は、偏位が少ないほど、円板後方肥厚部で変形陳腐化し、慢性化して予後が悪いということになる。患者さんが長い時間を待つことが出来れば、円板偏位に対し、復位できなくとも、円板があった位置には、瘢痕組織ができてくると考えられるので、何もしないのが最も良い治療ということができる。
BT to TMD
切端咬合、Ⅲ級にTMD少ないので、日本人は、この顎の形態が多いかので、TMD発症率が少なくなる。人口の30%の人からクリック音を聞くことが出来るが、舌を口蓋に位置させて20-30 mm開口すると顆頭は回転運動する。そうすると、関節雑音が残存しているのは5%位に減少するが、25%は消失した人は、治療が必要ない。その場合、Tongue Up Exercise、Rotation Exerciseする。Tongue Up Exerciseは、言語治療が指導するものであり、口蓋の裏側に舌が位置させるのである。開口時に回転が無く、滑走のみで下顎が前方に出してしまえば、クリック音が発生する。
円板偏位しやすい状態になっていれば、円板を押しやることになる。開口の時に舌が口蓋の位置になければ、最初の開口時における顆頭の回転の要素が無く、滑走が早すぎてHypermobility(過移動)に発展する。Early Translation(早すぎの滑走)によるHypermobilityを直すには、上唇と鼻の先端に定規を当てる。開口する時に、定規から下顎が離れて回転するEarly Translationの人は、から離れるはずの下唇がペンを前方に押しやってしまう。通常は、下顎は、後方に回転して下がり、滑走が始まり、下顎が前方にいくのである。クリック音を有する患者さんに最初に患者教育することは、回転運動ができるようにすることである。 咬合依存性の顎関節症は咬合を改変する必要がある。行動、心理的な問題によって顎関節症が誘発されている場合は、咬合を改変しないで、行動療法、リラクゼーション、セルフコントロールが要求される。殆どの人にスライディングが存在しているわけで、スライディングが存在するからといって、咬合を是正しなければならないわけではない。大がかりな修復処置をする場合には、今迄の咬頭嵌合位が存在しなくなるので、CRで治療するべきである。しかし、いずれ、スライディングが始まり、固有のスライディング値に落ち着くことになる。 脳腫瘍、脳の内部の外傷もTMD類似の疼痛を生じるので、鑑別診断が必要になる。頭痛は、頭蓋の内側と、外側から来るものに大別されるが、鑑別診断には、Cold Test(冷却)を用いる。顔面、頚部痛に対し、冷却してみて、数分で疼痛が軽減されるのであれば、運動障害に基づく、頭蓋の外側から由来するものである。頭蓋の内側から由来する疼痛の場合には、疼痛軽減は生じない。筋肉に作用して疼痛を和らげているのではなく、反射を中断させる為に、疼痛が消失するのである。 顎関節症は予防もセルフコントロールもできる。自分のPersonality、行動様式などの自分の問題を認識し、行動、習癖、生活様式を変える適応することができないと、症状が再発、問題に対処する技術、適応する方法を教育する。正しい姿勢、睡眠、硬いものやくちゃくちゃするものを食べるのをやめる食事、サックスのマウスピースを強く噛むのをやめさせる。これに対し、神経原生、血管性、精神疾患的なもの、膠原病やリュウマチなどの全身性などは、予防、セルフコントロールができない。
エクササイズの目的は、1.関節、靭帯のROMを増加する。2.頭、首、顎の解剖学的関係を修正する。3.筋群の調和を図る。4.悪習癖を除去。利点は、1.患者にも治療の1員である事を知って貰う為に必要。2.筋骨格系を正常化する為に、必要。、3.痛み、機能障害を除去、減少する。4.運動の開始は顎を引いた直立から始まることを理解して貰う。
行動療法に効果的なのは、1.栄養問題。2.ストレス由来の場合。1.効果的であることを態度で示す。2.協力を褒める3.数を制限する。4.患者さんをフォローアップする。
行動療法ができないのは、1.Joint Dislocation:関節、円板位置異常等の疾患は治せない。2.Joint Disease。3.Strainded Ligament:伸びてしまった靭帯は戻せない。3.Bite Disharmonies:咬合異常。 Trapezius Strainに対し、肩、手を後方に動かして貰う。毎回3回、1日30回することになる。Pectoralis Strainは、直立して行い、前傾しないで、腕を後方に行かせる状態にするが、指は、繋がない。腕を後方に動かし、Isometric等尺性に行う。Splenius Capitus(頭板状筋)Exerciseに対し、Shoulder Rolls(肩をすくめる、上げる運動)を行う。左右の手に3Kgになるようにゆっくり増量していくのであるが、肩を戻すと、両脇の椅子に、荷物が乗るようにする。 頭板状筋は、胸鎖乳突筋の後方にある小さな筋ではあるが、前傾して本を読む時などに、大切な筋肉である。直立し、手を後方に回し、反対側の耳を押さえて貰う。これだけで、頚部の疼痛が除去されることがある。3分、3回、左右を3ヶ月行う。背中の、肩甲骨の上方に疼痛を持つ患者の場合は、壁に立ち、後方の筋肉を触り、その肘を壁に当て、肘を思いっきり、上方に上げ、筋肉をストレッチする。頭板状筋は、胸鎖乳突筋の後方にある小さな筋ではあるが、前傾して本を読む時などに、大切な筋肉である。直立し、手を後方に回し、反対側の耳を押さえて貰う。これだけで、頚部の疼痛が除去されることがある。3分、3回、左右を3ヶ月行う。 背中の、肩甲骨の上方に疼痛を持つ患者の場合は、壁に立ち、後方の筋肉を触り、その肘を壁に当て、肘を思いっきり、上方に上げ、筋肉をストレッチする。Neck Rotation Exercise;肩が動かない様にして、首を左右に振る。Side Bending;肩を下げた状態で行い、肩を上げてはいけない首を左右に曲げる。Neck Flexionは、首を前後に曲げるのであるが、額を左右の手で押さえて、頭を前方に出そうとする、手で後方の頭を押さえて、後方に動かそうをする運動は、アイソメトリックである。 Head Resisting Exerciseは、手に対して頭を出そうとして、後方の筋肉が働かそうとする。次に、手に対し、頭を後ろに倒そうとする等尺性の運動。Jaw Resisting Exerciseは、顎を押さえて、その側に顎を動かそうとする咀嚼筋強化法で左右行う。Reflex Tappingは。拳をチンの下において,顎を開け様とするのに対し抵抗して、開口筋強化する。SternoCleidoMastoidに疼痛がある人に対し、仰向けで寝てもらい、頭を床から少し上げ、その状態で、頭を左右に振る。又休んで,再度同じ事を繰り返して貰う。 Jaw Stretching Exerciseは人差し指と中指を使用して顎を開ける訓練。2〜3横歯が要求される。Tongue Up Exerciseは、Hinge Opening Exerciseとも言われ、Hinji Movementをさせるには、舌の先端を口蓋の前方部に当てて開閉口させ、クリックを防止する。Mouth Opening Exercise:上下の正中に合うように片手に持った鏡を見ながら、開閉口する。逸脱しないように、反対側の手で押さえてまっすぐに開口できるようにする。肩甲骨から僧帽筋にかけて疼痛がある場合、仰向けになり、背中と床に空隙を作り、両手で、片側の膝を胸に着く迄、牽引する。 腰痛、あるいは、その予防に対し、足を反対側の腿に手で持ち上げて、数秒踏ん張る。立っている時、座っている時、寝ている時の姿勢を意識させる。反対側の肩に荷物をかけてはいけない。首で、℡を挟んではならない・横向き寝は、顎に過重されるので、仰向けで寝るように指導する。頭、膝の下に、大きくない枕を入れて寝て貰う。親指を上顎大臼歯部に当て、上顎の口蓋を離開させる。
ABC方式は、アルバート エリスが開発した認知行動療法で、まず、A(困った状況)、B(思い込み)、C(結果)がどのような作用をしているかを知ることである。A:Adversity:困った状況を記述する。それにに直面すると、考えをめぐらし思いこんだことを、B:Belief:思い込み、を記述する。思いこみは結果C:Consequcence:を生む。それに対し、D:Disputation:反論し、E:Energization:元気づける。ABCDE日記をつけてみる。ABCの因果関係がある特定の思いこみと落胆を生む。ABCの因果関係を知ることは、子供が楽観主義を学ぶための第1歩。
自分が悲観的な思い込みをしていることに気付いたら、対処の仕方は2つある。1.気をそらし、別のことを考える、2.その考えに反論するである。1.気をそらし、別のことを考える:自分の考えを否定することができたら、同じような状況が起こっても、このような思い込みにとらわれることが少ない。反芻が起こって、否定的思考に戻ってしまうのを防止するために関心を別のところに移すのが良い。そのことから頭から離れない場合は、ストップ、このことは、いついつ考えようと自分に言い聞かせる。潜在意識が反芻を起こすのであるから、書いて、考える時間を決めてしまうと反芻する必要がなくなる。 2.その考えに反論する。困難に出会ったとき、反射的に頭に浮かぶ考え方に反論することによって、いつもあきらめの反応をエネルギッシュな行動へと変えることができる。自分の信念は思い込みであって、事実ではないかもしれないと気付くことだ。反論するための4つのポイントは、1.証拠はあるか、2.別の考えかたはできるか、3.思い込みがほんとうだった場合、それはどんな意味を持つか、4.その考えは有効か、5.声を出して反論してみる。 うつに陥ると成績が急降下する。うつ病度が高いほど成績が悪い。無気力群と意欲群に出した問題で、解ける問題の場合は、両者に差は無かった。難解な問題を与えた時、無気力群は1年生レベルに落ち、意欲群は、4年生レベルにとどまり、あきらめず、作業を続けた。子供のうつ病、成績不振のもとにあるのは、悲観主義で子供はどうしようもないと思ったとき、努力するのを止めるから。不和の家庭の子供は、離婚家庭の子供たちと同じくらい重症のうつ病にあり、両親が喧嘩しなくなってからも続く。すべての段階で、男子は女子よりも高いうつ度を示している。この比率の逆転が、思春期、思春期後に生じる。 フロイトは、うつ病は自らに向けられた怒りだとし、精神分析家は、患者の感情を吐露させようとし、うつ病を悪化させ、自殺者と続出させた。アルバート エリスは、精神的葛藤とみなされた症状は、実は考え方が間違っているだけだなので、患者に間違った考え方はやめて、正しい考え方をしろと命令だけしただけで、深い無意識の葛藤を暴かなければならないという定説に挑戦し、患者の症状は改善した。彼らは、感情は自らの考え方によって決定されることを示した。勝利を収めた。アルバート エリス(心理学者)と、アーロン ティムキン ペック(愛称ティム、精神科医)は認知療法を開発した。彼らは心理療法史において、フロイトに次ぐ貢献を果たした。 ティム ペックによると、はうつ病者は、自分の将来について悪いことばかり考え、原因は、脳の化学物質が原因でもフロイトがいう内側に向けられた怒りではない。考え方に異常をきたしているだけで、意識的な考え方の習慣によって起こる。この習慣を変えることができれば、うつ病を解消することができる。ティムは、これを認知療法と呼んだ。認知療法は、悲観的説明スタイル、反芻を変えることができ、リラップスすることがない。楽観的説明スタイルに変え、反芻を減らす。投薬はうつ病から解放するが、世の中が明るく見えはしないが、認知療法は物の見方を変え、認知療法の方が再発率は少ない。 女性は、男性の2倍もうつ病に罹患しやすいのは、うつ病が増幅されるような考え方をするからである。男性は考えるより行動に出るが、女性は自分の症状を分析し、下手人を突き止めようと考え込むという”反芻”を行う。心理腫瘍学の教授、サンドラ レビーによると認知療法は、説明スタイルを変えることができる。何かが起きた時、自動的にどんなことを考えるかに気付く、気持ちをそらす、悲観的説明スタイルに反論する、ストレスに対するリラックス訓練をするとした群と対象群を作った。認知行動療法を受けている群のNK細胞が増殖し、機能が高まっていることを見つけた。この研究に対し、マッカーサー財団は、このプロジェクトに対し、資金提供を申し出た。 うつ病は今世紀初頭から、10倍に増えている。男性は女性の半分しかかからない。うつ病は、心理的見地から見るべき。生きてくうえでの問題や、それをどう考えるかによって始まる。うつ病には3種類ある。1.ふつうのうつ病、2.単極性、3.双極性。1.普通のうつ病は、苦しみ、敗北が原因で生じる。2.単極性、3.双極性の違いは、そう状態があるかどうかによる。双極性の方が遺伝性である場合が多い。1卵性双生児の場合、一方が躁鬱病の場合、もう一方の確立は72%、2卵性の場合は14%である。80%以上の症例で、リチウム塩剤は躁状態を緩和し、うつ状態にも効果を示す。 うつ病の診断基準は、1.思考、2.気分、3.言動、4.肉体的反応において否定的になる。1.思考:うつ病の4つの判断基準のうち、1.思考が否定的になる。悲観的な説明スタイルはうつ病の人の思考の中心をなす。2.気分、普通のうつ病と単極型うつ病のうつ状態の2番目の特徴は、否定的な気分になること。うつ状態の時の気分は悲しいだけでなく、不安とイライラと伴う。さらにひどくなると、不安、敵意は失せ、無感動、無感覚になる。3.言動、うつ病の3番目の特徴は言動で3つの兆候がある。消極的、優柔不断、自殺を試みることである。4.肉体的反応、4番目の反応として肉体的な症状を伴うことが多い。食欲、睡眠、性欲が減退する。 口腔顔面痛の治療後、脳が疼痛を覚えているが、脳をコントロールすることを学んでいる。脳の活動で生じる情報がいくつかの領域の間を流れることで、痛みを感じる。情報の量を調節することで疼痛を軽減する。疼痛にも役目があるからすべてを止めてしまわない。大あくびして顎に痛い思いをすれば二度と同じことをしなくなる。脳の活動を抑えることができれば、疼痛を消すことができる。画像で脳の活動を知ることによって、その活動を抑えることができる。脳の特定の領域に意識を集中させることができれば、その働きをコントロールすることができることが理解さえるようになった。これを応用すれば、うつ病、恐怖症、さまざまな心の病気に応用することができる。
殖し、機能が高まっていることを見つけた。この研究に対し、マッカーサー財団は、このプロジェクトに対し、資金提供を申し出た。 うつ病は今世紀初頭から、10倍に増えている。男性は女性の半分しかかからない。うつ病は、心理的見地から見るべき。生きてくうえでの問題や、それをどう考えるかによって始まる。うつ病には3種類ある。1.ふつうのうつ病、2.単極性、3.双極性。1.普通のうつ病は、苦しみ、敗北が原因で生じる。2.単極性、3.双極性の違いは、そう状態があるかどうかによる。双極性の方が遺伝性である場合が多い。1卵性双生児の場合、一方が躁鬱病の場合、もう一方の確立は72%、2卵性の場合は14%である。80%以上の症例で、リチウム塩剤は躁状態を緩和し、うつ状態にも効果を示す。 うつ病の診断基準は、1.思考、2.気分、3.言動、4.肉体的反応において否定的になる。1.思考:うつ病の4つの判断基準のうち、1.思考が否定的になる。悲観的な説明スタイルはうつ病の人の思考の中心をなす。2.気分、普通のうつ病と単極型うつ病のうつ状態の2番目の特徴は、否定的な気分になること。うつ状態の時の気分は悲しいだけでなく、不安とイライラと伴う。さらにひどくなると、不安、敵意は失せ、無感動、無感覚になる。3.言動、うつ病の3番目の特徴は言動で3つの兆候がある。消極的、優柔不断、自殺を試みることである。4.肉体的反応、4番目の反応として肉体的な症状を伴うことが多い。食欲、睡眠、性欲が減退する。 口腔顔面痛の治療後、脳が疼痛を覚えているが、脳をコントロールすることを学んでいる。脳の活動で生じる情報がいくつかの領域の間を流れることで、痛みを感じる。情報の量を調節することで疼痛を軽減する。疼痛にも役目があるからすべてを止めてしまわない。大あくびして顎に痛い思いをすれば二度と同じことをしなくなる。脳の活動を抑えることができれば、疼痛を消すことができる。画像で脳の活動を知ることによって、その活動を抑えることができる。脳の特定の領域に意識を集中させることができれば、その働きをコントロールすることができることが理解さえるようになった。これを応用すれば、うつ病、恐怖症、さまざまな心の病気に応用することができる。
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